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田村亮さん、丸山穂高議員…「適応障害」ってどんな病気? うつ病との違いは?

平気を装って日常生活送るケースも

Q.適応障害と診断されても、日常通りの活動をしているように見えたり、「非常に重要」という場には姿を現したりする人もいます。適応障害においては、このようなケースもあるのでしょうか。

田中さん「適応障害では、くじけていても多少の無理を押して日常生活を送っていることがあります。もともと前向きで適応力の高い人が、過酷な環境を何とか乗り越えようとしていたのが、ついに限界を超えて発症してしまうケースもまれではありません。一人でストレスを抱え込み、それでも平気を装って無理を重ねているため、周囲の人から全く気付かれないということがしばしば起こるのです。

従って、本人のつらさを置き去りにして『適応障害は大した病気ではない』と思うのは、完全に誤解だと言ってよいでしょう。適応障害かなと思ったら『薬に頼らない治療』を行っているような精神科外来を受診することをおすすめします」

Q.家族や会社の同僚、友人が適応障害と診断された場合、どのように接するのがよいのでしょうか。

田中さん「何よりも、本人がつらくなった経緯をじっくりと聞きましょう。その際、ねぎらいの言葉かけが重要ですし、『私はあなたの味方である』という安心感を与えるように接することを心がけます。いったん環境的なストレスから離れることができたら、改めて本人の対処不全と適応力について話題にしていきましょう」

Q.適応障害にならない予防策はありますか。

田中さん「ストレスフルな現代社会において、環境的なストレスを避けることは不可能に近いかもしれません。そのため、適応障害にならない予防策を考えることはとても難しいと思います。

ただ、ストレスが増えてきたと思ったら、自分はどのような心身の不調が出やすいか(→不調のサインを知る)、どのような思考パターンを取りやすいか(→『コーピング・スキル』と呼ばれるストレス対処法の技能を高める)、自分はどうなりたいのか(→達成可能なゴールを設定する)などを自分自身に問い直してみるとよいでしょう。

こうした作業は、何も一人で取り組むものでもなく、信頼できる相手と話し合いながら進めていくものであることを忘れてはいけません」

(オトナンサー編集部)

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田中伸一郎(たなか・しんいちろう)

医師(精神科専門医)・公認心理師

1974年生まれ。東京大学医学部医学科卒業。赤光会斎藤病院、東京大学医学部付属病院精神神経科、杏林大学医学部精神神経科学教室などを経て、現在は、獨協医科大学埼玉医療センターこころの診療科准教授。「誰もがこころの問題を理解し、互いに助け合うことのできる社会づくり」を目指し、精神医療の最前線で老若男女の患者を日々診療しながら、メディアを通じて正しい知識を普及すべく活動の場を広げている。

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