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【うつ病】なりやすい人と、なりにくい人の違いとは? 精神科医が解説

日本では20人に1人という確率で発症する「うつ病」。「うつ病」になりやすい人となりにくい人に違いがあるのでしょうか…。そこで、精神科専門医に、「うつ病」に関するさまざまな疑問について聞きました。

「うつ病」になりやすい人となりにくい人の特徴は…
「うつ病」になりやすい人となりにくい人の特徴は…

 日本では20人に1人という確率で発症する「うつ病」。気分が落ち込む、体調を崩すなど、誰でもなりうる病気です。うつ病はライフステージによって環境が変わる女性の方が男性よりなりやすいといわれていますが、どのような性格の人がうつ病になりやすいのか気になった人もいるのではないでしょうか。また、どのようなメンタル、生活環境、食事をしているとなりにくいのかも気になりますよね。そこで、精神科専門医の田中伸一郎さんに疑問を聞きました。

理由なく「喜怒哀楽を感じない」「自分を責める」などの症状

Q.そもそも「うつ病」とはどのような病気(症状)なのでしょうか?

田中さん「うつ病とは、心身が不調となって日常生活に支障が出る精神障害の一つです。例えば、理由がないのに涙が止まらない、気分が落ち込む、喜怒哀楽を感じない、趣味や娯楽を楽しめない、いらいらして気持ちばかり焦る、自分を責める、本気で死にたいと思うなどの症状がみられます。そうしたメンタル不調と同時に、睡眠障害、体重が落ちるほどの食欲不振、疲れっぽい、意欲が出ないといった体調不良が何週間にもわたってみられます」

Q.ずばり「うつ病」になりやすい人の“特徴”はありますか?

田中さん「かつてうつ病は、きちょうめんで、他人に気を遣う真面目な人がなりやすいとされていました。過重労働で頑張りすぎて倒れる男性会社員のイメージですね。しかし、うつ病は男性よりも女性に多くみられ、子どもも大人も人生のさまざまな時期における人間関係のトラブルなどをきっかけに発症する例が多数みられることから、誰でもうつ病を発症する可能性があると言われるようになりました。

Q.では、「うつ病」になりにくい人の“特徴”もあるのでしょうか。

田中さん「上記のように、誰でもうつ病を発症することがあるため、周囲の人間が『あの人はうつ病じゃなさそうだ』と勝手に決めつけるのはよくありません。

診断や治療は専門家に任せることにして、心身の不調を抱え、普段の様子とは違う人(家族、友人、先輩・同僚・後輩など)を見かけたら、そっと声をかけ、しばらく寄り添いながら、自分が置かれている状況やストレスの要因について語ってもらうようにしましょう。ありきたりの表現かもしれませんが、結構タフだったのに人生の不運や不幸のなかでポッキリ心が折れてしまった、ということはよくあることです」

(オトナンサー編集部)

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田中伸一郎(たなか・しんいちろう)

医師(精神科専門医、産業医)・公認心理師

1974年生まれ。久留米大学附設高等学校、東京大学医学部卒業。杏林大学医学部、獨協医科大学埼玉医療センターなどを経て、現在は東京芸術大学保健管理センター准教授。芸術の最先端で学ぶ大学生の診療を行いながら、「心の問題を知って助け合うことのできる社会づくり」を目指し、メディアを通じて正しい知識の普及に努めている。都内のクリニックで発達障害、精神障害などで悩む小中高生の診療も行っている。エクステンション公式YouTubeチャンネル内「100の質問」(https://youtu.be/5vN5D9k9NQk)。

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