束縛を理由に家を出た38歳男性、夫の金を使おうとする妻の“離活”に対抗した方法
妻による“離活”の一つ「離婚資金欲しさに夫の金をせしめる」。夫はこれにどのように対処すべきでしょうか。離婚の専門家が解説します。

今年のゴールデンウイークは、天皇陛下の退位、皇太子様の即位を含んでいるので神聖で厳かで少々の緊張感が漂う10連休となっています。元号が「平成」から「令和」に切り替わる5月1日午前0時をどのような気持ちで迎えるか…今から想像できますか。平成の時代の思い出を振り返りつつ、令和の時代に思いを巡らす瞬間です。
例えば、「令和の名の通り、家族が健康で過ごせますように」「せっかくだから、前々からやろうと思っていた富士山登山をしてみようかな」「元号が変わる5月の営業ノルマは1割増しって…そんな上司の悪ノリにうんざり」。良くも悪くも心機一転という感じで、新しい目標を立て目標の実現を願うのですが、心に秘めたる思いは百人百通りです。
「もう我慢の限界! 嫁と離婚したい、元号が変わる前に!」「平成のうちにあいつに引導を渡してやるぞ! 上司の男とこそこそ会っているのは知っているんだからな!」「彼女が『まだなの?』ってうるさいから、平成が終わるまでに家内は観念してくれるといいけれど…」
祝福ムードの最中、そんなふうに怒りや憎しみ、嫉妬の感情をぶちまける人も一定数、存在します。平成の汚れは平成のうちにという感じで筆者のところへ相談に来るのですが、今回の相談者・広瀬明人さん(38歳)もその一人です。
ところで、10年前の流行語が何だったのかを覚えているでしょうか。2009年、「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたのは「離婚活動(=離活)」。ただし、想定される主人公は夫ではなく妻でしょう。前回は離活の4パターンを紹介しました。
第1に、離婚資金欲しさに夫の金をせしめる。具体的には家族カードのクレジット払いを利用し、ボーナス払いを選択し、夫の口座から引き落とされるのが離婚後になるようにしたり、家族の貯金を夫の口座に入れているので残高を引き出して自分の口座に移したり、夫の生命保険や子どもの学資保険を解約し、返戻金を自分の口座に移しておいたり。
第2に、慰謝料欲しさに「DV夫」に仕立てる。具体的には夫がキレるまで挑発し続け、「なんだと!」「ふざけるな!」「いい加減にしろ!」など夫が逆ギレした瞬間を録音しておき、女友達に録音データを聞かせ、「とんでもない旦那だわ。だって手を上げたんでしょ?! やっていいこととダメなことがあるじゃない? 越えちゃいけない一線を越えているよ!」と妻寄りの証言をしてもらったり、警察へ駆け込んで「このままじゃ殺される」と訴えかけたり。
第3に、親権欲しさに子どもを洗脳する。具体的には妻が子どもに好かれるより、「夫が子どもに嫌われる」方が手っ取り早いので、「パパはタバコ臭いし、加齢臭で汚いし、挙動不審で気持ち悪い!」と子どもに吹き込んだり、「パパについていってもご飯は食べさせてくれないよ。お風呂も一緒に入ってくれないし、宿題も手伝ってくれないんじゃないかな?」と夫を実物以上に「悪い父親」に演出する。
第4に、逃げ場欲しさに両親に媚(こび)を売る。具体的には、前もって実家の両親に「離婚しようと思っている、助けてほしい」「話がまとまるまで身を寄せたい」「子どもも厄介になるけれど今だけだから」と頼んでおき、いつでも子連れ別居できるように行き先を確保しておく。
今回は、第1のケースに陥らないようにどうすればよいのか、深く掘り下げていきましょう。
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:広瀬明人(38歳)→会社員(年収600万円) ※今回の相談者
妻:広瀬涼音(34歳)→専業主婦
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