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離婚か、それとも我慢か…いや「卒婚」の道もある! 2択に疲れて《第3の道》を選択した夫婦2組の実話

離婚や家庭内別居とは異なる夫婦の形「卒婚(そつこん)」。離婚でも我慢でもない“中間解”として選択した夫婦は、どんな生活をしているのでしょうか。筆者が知る2つの事例です。

「卒婚」が第3の選択肢に?
「卒婚」が第3の選択肢に?

「卒婚(そつこん)」という言葉を目にして、「その言葉、使ってる人いる?」「結局、熟年離婚のソフトな言い換えじゃない?」と感じる人もいるかもしれません。一方で、午前中の美容院やスポーツジムなど、熟年女性が集う場で耳を澄ませていると、笑いながら「うちは卒婚だからさあ」と明るいトークが聞こえてくるのも事実です。私の主宰する夫婦仲相談所でも、ここ数年、50代以降の妻からの「夫との距離の置き方」相談が微増しています。

「卒婚」とは、離婚と違い、戸籍上の夫婦関係を解消せず、夫婦の干渉を減らしてそれぞれの生活を尊重するスタイルを指します。同居のまま距離を取るケースもあれば、「週末別行動」「完全別居」など形はさまざま。法律上は夫婦の権利義務があるので、遺族年金などは保証されます。

「家庭内別居」「仮面夫婦」と似ていますが、夫婦二人で合意し、前向きに晩年を過ごそうとする点が決定的に異なります。また、感情が冷え切ったまま、無言の同居に徹する「オワ婚」とは別物です。

 卒婚が選択肢として残っている背景には、人生後半の現実があります。

 子どもが独立し、親の介護の見通しをつけながら、夫婦二人で一つ屋根の下に長時間過ごす生活。息苦しく感じるか、「やっと二人で楽しく過ごせる」と感じるか――。女性の就労や資産形成も進み、精神的にも経済的にも「夫婦はこうあるべき」という古いパッケージから降りやすくなった面があると感じます。

「離婚は損だ。踏み切る壁が高い。でも、これまでの夫婦の形には戻れない」。そんな“中間解”が、卒婚です。

卒婚と熟年離婚、どっちが得か

 ここで、お金の観点を整理しておきましょう。

 熟年離婚の場合、財産分与や年金分割など、制度上の清算が必要です。婚姻期間が長いほど対象となる財産が増え、退職金や不動産の扱いがドロドロの論点になることもあります。年金分割の対象は、主に厚生年金・共済年金です。一方の収入が低い夫婦ほど、離婚後の家計費がシビアになるという現実もあります。

 対して卒婚は、戸籍上の夫婦関係を残すため、相続や生活費の考え方、住まいの維持などで「急激な分断が起きにくい」面があります。今の家に住むことができるし、二人で暮らすと光熱費も食費もお得。老後のセーフティーネットを残したまま距離を調整できる点は、卒婚の実用的なメリットでしょう。ただし、制度上は夫婦なので、ルールを曖昧にしたまま暮らすと「結局どちらがどこまで負担するのか」ともめやすいです。

 卒婚は、「相手のことが嫌」という気持ちだけを優先せず、経済面でも“話し合い設計型”の関係だと考えておくと失敗しにくいでしょう。実際の相談例を2つご紹介します。

【画像】「経験者は語る……」→これが“サレ妻”たちの「不倫されても離婚しない理由」5つです(専門家監修)

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三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。業界最大手「ごっこ倶楽部」のセックスレスをテーマにしたショートドラマを監修し、5カ月で1億回再生に到達。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式note(https://note.com/suzune_16)、オトナのお悩み保健室(https://otona-hokenshitsu.jp/)。LINE登録で「夫婦仲チェックシート」を無料プレゼント(https://fufunaka.com/archives/lp/line)。

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