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感染力の強い「はしか」、どれくらいの距離や接触でうつる? 病院までの移動手段は?

移動時は換気を頻繁に

Q.どのような症状が出た場合に、はしか感染を疑い、どう対応すればよいですか。

市原さん「風邪の症状と同時に、口の中に白いできものができたり、熱がいったん下がった後に再び高熱が出て、発疹が出現したりすることがはしかの特徴です。はしか自体の治療薬はなく、対症療法となります。症状がつらければ、まず医療機関に連絡して指示を仰ぎましょう」

Q.感染の疑いがある場合、医療機関に連絡した上で受診するように求められます。感染症対策の設備が整っている病院ではなく、小さなクリニックでも受診できますか。

市原さん「はしかは感染力が強いため、免疫のない医療スタッフやほかの患者さんにうつしてしまう可能性があります。そのため、感染症対策の設備などが整っている医療機関を受診する方が望ましいですが、この場合も事前に病院へ確認してから受診してください」

Q.医療機関へ行くとき、他者への感染を防ぐため、できるだけ公共交通機関を利用しないよう求められます。受診できる医療機関が遠距離の場合、どうすればよいですか。

市原さん「電車やバス、タクシーなどは空気感染のリスクが高いので、なるべく避ける必要があります。感染対策のために自家用車で移動することが望ましいですが、体調がすぐれないときには運転を避け、身近な家族や友人などに手伝ってもらうことになるでしょう。この場合、感染者本人はマスクをして飛沫感染対策を最大限に行い、窓を開けて換気をすることで空気感染のリスクを少しでも減らすしかないでしょう」

Q.自家用車がない場合はどのようにしたらよいですか。タクシーはなるべく避けたほうがよいとのことですが、たとえばタクシー会社に相談して、感染リスクの少ない運転手を頼むなどの方法は考えられないでしょうか。

市原さん「そうですね。はしかにかかったことのある運転手さんやワクチン接種をした運転手さんにお願いできるか、タクシー会社に相談するのも一つの方法かもしれません。ただ、リスクのあることを承知で請け負ってくれるタクシー会社が少ない可能性はありますが…。」

Q.はしか感染が判明して自宅で療養する場合、食事の提供などで家族が接することもあります。感染者は家族に感染させないため、家族は感染しないため、どのような対応をすればよいですか。

市原さん「感染者はまず、マスクをすることです。そして、部屋の換気をこまめに行いましょう。これまでに、はしかにかかったことのない家族、ワクチンを接種していない家族は、鼻と口を深く覆いつくす『N95マスク』を利用するのも手です。N95マスクは、米国労働安全衛生研究所の規格をクリアした微粒子用マスクで、はしかウイルスや結核菌など、小さな病原体からの感染を防いでくれます。

ただし、正しく顔にフィットさせないと感染予防効果が低下すること、ネット販売されているものの、身近なお店で売っていない可能性があり、入手に時間がかかることが難点です」

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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