東京五輪、医療スタッフの大部分が無報酬 組織委「協力得ている」、SNSでは批判も…
東京五輪・パラリンピックの医療スタッフに対し、組織委が一部を除いて報酬を支払わない方針を明らかにしました。
2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場などで活動する医師、看護師らの医療スタッフのうち、責任者など一部を除いて、組織委員会が報酬を支払わない方針であることが分かりました。組織委は大学病院などの医療機関に協力を求めており、病院の職務の一環としての参加も想定しているようですが、SNS上では「人の命を左右する役目なのに無報酬はあまりに無責任」「人手不足でギリギリの医療現場から、ただ働きとは」と批判の声が上がっています。
「お気持ちのある方に来ていただく」
組織委によると、会場の収容人員1万人当たり、観客用の救護所を1カ所設置し、医師2人、看護師4人を配置。選手用の医務室にも医師、歯科医師、看護師、理学療法士らを配置する計画とのことです。選手村の診療所や練習会場などにも医療スタッフを配置する方針ですが、全体の人数については「調整中」としています。
それぞれに配置する医療スタッフのうち、各会場の医療責任者などは非常勤の有給職員として報酬を支払うものの、その他の医師や看護師については無報酬の方針で「お気持ちのある方に来ていただくというのもある」としています。
医師、看護師の確保に苦労している医療機関があることや、医師や看護師の過労が問題になっている中での無償の協力依頼について、組織委は「事前に医療機関などに相談、意見交換をしており、協力いただける旨の申し出があった医療機関に協力をお願いする予定。申し出があったのは、大規模かつ医療スタッフの多い医療機関が多く、一般診療には影響がない範囲で協力いただけると伺っています」としています。
なお、医療機関から派遣された医療スタッフについては、第三者賠償責任保険や医療従事者賠償責任保険を組織委で手配するほか、スタッフ本人がけがなどをした場合の治療費を補償する保険も手配する予定とのことです。
東京五輪を巡っては、組織委が募集している8万人のボランティアについても、「1日8時間」「原則10日間以上」「宿泊費は自己負担」などの条件について、「やりがい搾取」などの批判が出ています。
(報道チーム)
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