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わが子を“口うるさく”叱ってない? 「ガミガミ子育て」3つの“弊害”を子育て本著者が危惧

わが子の「過去」と「今」を比べよう

(C)あべゆみこ
(C)あべゆみこ

「わが子を、いい子に育てたい」という思いで、周りの子どもや兄弟姉妹と比べてしまうのは、きっと親のさがでしょう。しかし、“比べる病”に侵されると、「あれもできない」「これも不足だ」と感じてしまい、ガミガミと叱る回数がどうしても多くなってしまいがちです。

「多様性を認めよう」「個性を大事にしよう」といわれつつも、実際には平均体重、平均身長にはじまり、小学校ではクラスの平均点と比べてどうか、そして大人になってからも平均年収、平均寿命……と、親自身も周りと比べられながら生きてきていると思います。だからある意味、仕方のないことなのかもしれません。

 しかし、よその子と比べていても、わが子の成長は見えてこないもの。他人の子どもの物差しは捨てて、わが子の「過去」と「今」を比べてみてください。そうすれば、例えば次のようなわが子の変化が見えてきませんか。

・以前は、下の子に一切おもちゃを触らせなかったが、今は少しだけなら貸してあげることができるようになった

・落ち着きがなく、半年前は病院の待合室でじっと座っていることができなかったけれど、今は5分くらい座っていられるようになった

・偏食の傾向があったが、今は種類こそ少ないものの、いろんなものを食べられるようになってきた

 わが子のこうした成長や変化に気付いたら、それを心の中で思うだけではなく、実際に「認める言葉」として口に出し、伝えてあげてください。

 あなたは何年、生きていますか。子どもはこの世に生を受けて、まだたったの数年です。なかなか難しいことかもしれませんが、わが子への要求が過度にならないよう、意識できるようにしたいものです。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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