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動悸や発汗に注意! 「低血糖」の症状・原因・対処法とは

アメやジュースを口にして対処を

Q.自分や周囲の人に症状が出た際の適切な対処法を教えてください。

市原さん「自分が低血糖になってはいるものの意識がしっかりある場合、アメやジュースをすぐに口にすることで対処できます。周囲に低血糖症状の人がいた場合、意識があれば同じようにアメやジュースなどの甘いものを食べさせてください。

注意が必要なのは、意識レベルが低下している場合です。甘いものを食べさせようとしても、うまく飲み込めず誤えんを誘発することがあります。窒息や誤えん性肺炎の可能性もあるので絶対にやめましょう。まずはすぐに救急車を呼び、待っている間、可能であれば粉末状の砂糖やブドウ糖を口の内側に擦り付けてください。自然と吸収されて血糖値が上がりやすくなります」

Q.特に効果が高い飲食物や、逆にやってはいけない行為についても教えてください。

市原さん「糖には、ブドウ糖のほかに果糖やショ糖があります。甘いものであれば低血糖の時に有効です。中でも、ブドウ糖が一番早く体内に吸収されるため、ブドウ糖の割合が高いものの方が低血糖改善までの時間が早まります。そこで、低血糖対策で持ち歩くならブドウ糖がお勧めです。市販のジュースやお菓子にもブドウ糖が多く含まれ、低血糖改善効果があります。

ただし、血糖降下薬の中でも『αグルコシダーゼ阻害薬』を内服している場合、ブドウ糖以外の糖分では低血糖が改善しないので注意してください。また、低血糖だからといって過剰に糖分を摂取すると、かえって高血糖になります。ブドウ糖であれば10~15グラム、ジュースであれば100~150ミリリットル程度で十分効果はあるので、取り過ぎに注意しましょう」

Q.低血糖症状を予防する方法はありますか。

市原さん「インスリンや血糖降下薬を使っている人は、日ごろからなるべく同じリズムの生活を心掛けましょう。食事の時間が遅れたり、食事量が少なかったり、いつもより多く体を動かしたりした時、低血糖は起きやすくなります。食事が少なかったら追加で補食をしたり、運動するなら補食を摂取してからにするなど工夫しましょう。

反応性低血糖やダンピング症候群における低血糖は、大量の糖分が一気に腸から吸収されることで起きます。食べ過ぎず、1回の食事における糖質量を適量に抑えることが低血糖予防につながります」

(ライフスタイルチーム)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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