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繰り返す便秘と下痢、腹痛…「過敏性腸症候群」の症状・原因・治療法

日本人の10人に1人が悩んでいると言われる「過敏性腸症候群」。日常生活に支障をきたすほどのつらい腹痛に、恒常的に悩まされている人も少なくないようです。症状や適切な対処法を解説します。

過敏性腸症候群の症状や対処法とは?
過敏性腸症候群の症状や対処法とは?

 ネット上で先日「過敏性腸症候群」について話題となりました。頻繁に起きる腹痛のほか「便秘と下痢を繰り返す」「緊張やストレスでおなかが痛くなる」「おならが増える」など、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩まされる人が多いようです。これについて「毎食後、おなかをくだしてしまう」「トイレに行きたくなるので長時間の乗り物移動が怖い」「治療法が知りたい」など、さまざまな声が寄せられています。

 過敏性腸症候群とは、どのような病気なのでしょうか。オトナンサー編集部では、医師の市原由美江さんに聞きました。

寝ている時には症状が出ないのが特徴

Q.過敏性腸症候群とは、どのような病気なのでしょうか。

市原さん「過敏性腸症候群とは、腸に明らかな異常がないにもかかわらず、便秘や下痢などの便通異常に腹痛を伴う病気です。便通異常には下痢型、便秘型、下痢と便秘を繰り返す混合型があります。排便によって症状が改善するのが特徴です。ストレスや緊張などの精神的要因をきっかけに発症することが多く、おなかが痛い、おなかが鳴る、ガスがよく出るなどの訴えが典型的です。

診断基準は、反復性の腹痛が最近3カ月以内に、平均して少なくとも週に1日あり、以下のうち2項目以上を伴う場合です。

(1)排便と関連する(排便によって症状が軽快する)
(2)発症時に排便回数の変化がある
(3)発症時に便形状の変化がある

通常の下痢や便秘は精神的要因と無関係に起こりますが、過敏性腸症候群は精神的要因と関係があるため、夜間寝ている時には起きないのが特徴です。また、内視鏡などの大腸の検査をしても異常を認めません」

Q.過敏性腸症候群になりやすいのはどんな人でしょうか。

市原さん「日本人の約10%の人が過敏性腸症候群で、女性に多いと言われています。発症年齢は20~40代に多く、それ以上の年齢になると発症する人は徐々に少なくなっていくことがわかっています。原因ははっきりと明らかになっていませんが、不安や緊張などの精神的ストレスや過労や睡眠不足などの身体的ストレスが影響していると考えられています」

Q.過敏性腸症候群の治療法について教えてください。また、完治は可能でしょうか。

市原さん「まずは、規則正しい生活を心掛けるように指導されます。なるべくストレスをためずに、睡眠や休養をしっかり取ることが大切です。また、食物繊維を多く摂取する、ビフィズス菌や乳酸菌を摂取することも有効です。

次に、腸の動きを整える薬や、水分を吸収し便の水分バランスを整える薬(高分子重合体)など、体の状態に合わせて薬が調整されます。薬で効果が乏しい場合、ストレスや精神的要因を評価するために、心療内科を受診してもらうこともあります。完治することもありますが個人差が大きく、気長に付き合っていくことが大切です」

Q.過敏性腸症候群を予防する方法はありますか。

市原さん「前述のように、身体的ストレスが影響しているため、規則正しい生活を心掛けることが予防につながるでしょう。しかし、原因として不明な点が多いのが現状です」

Q.日常生活において、腹痛、下痢、ガスがたまる、といった症状が出た際の緩和方法について教えてください。

市原さん「まずは排便を試みることです。排便で症状が緩和されるのが過敏性腸症候群の特徴です。また、腹痛時に、腸の動きを鎮める目的で抗コリン薬を一時的に内服することがあります」

(ライフスタイルチーム)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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