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親に突然の腹痛や頭痛があったらすぐに病院へ…投稿が話題に、どんな病気が潜んでいる?

親に突然、嘔吐を伴う腹痛や頭痛があったら、血管系の病気かもしれないのですぐに救急外来へ――。こうした内容の投稿に、さまざまな体験談や共感の声が寄せられています。どんな病気が潜んでいるのでしょうか。

突然、嘔吐を伴う腹痛や頭痛が起きたら…

 親が突然、嘔吐(おうと)を伴う腹痛や頭痛、片側の手足の麻痺(まひ)を起こしたら、発症から治療までの時間で予後が決まる血管系の病気の可能性があるので、一刻も早く救急外来に連れて行くべきだ――。こうした趣旨の投稿がSNS上で話題となっています。これに心当たりのある人などからは「心筋梗塞で他界した父は、発症から他界までわずか数時間だった」「まっすぐに歩けず、片方に寄っていく場合もすぐ病院へ」「家族の普段の様子を知っておかないと…」といった声が上がっています。

 親などの身近な人にこうした症状が見られた場合、どのような病気が潜んでいる可能性があるのでしょうか。オトナンサー編集部では、医師の市原由美江さんに聞きました。

嘔吐を伴う腹痛は急性胃腸炎や胃潰瘍

Q.嘔吐を伴う腹痛があった場合に疑われる病気は何でしょうか。

市原さん「嘔吐を伴う腹痛があった場合に疑われる疾患としては、急性胃腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性虫垂炎、急性すい炎、腸閉塞、胆管炎、胆嚢炎(たんのうえん)などが挙げられます。急性胃腸炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍は比較的時間に余裕がありますが、他の疾患はなるべく早く治療を開始する必要があります。具体的には、急性虫垂炎は重症化すると、穿孔(せんこう)して腹膜炎になり、緊急手術が必要になることがあります。急性すい炎や胆管炎は重症化すると命に関わるため早期の治療が重要です。これら炎症性の疾患は発熱することが多いので体温にも注意しましょう」

Q.次に、嘔吐を伴う頭痛があった場合に疑われる病気は何ですか。

市原さん「嘔吐を伴う頭痛があった場合に疑われる疾患として、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、片頭痛などが挙げられます。くも膜下出血や脳出血は突然の頭痛や嘔吐・嘔気が出現し、意識障害を合併することがあります。緊急手術を必要とすることがあり、これらの症状を突然自覚したら早めに病院を受診しましょう。脳腫瘍は朝起きた時に頭痛を自覚することが多く、これが慢性的に持続します。嘔気や嘔吐のほかに、複視など目の症状が起きることもあります。片頭痛は、定期的に発作的な拍動性の頭痛が数時間~数日間続きます。命に関わる病気ではないですが、日常生活が制限される程の痛みがあれば、内科で薬を処方してもらいましょう」

Q.片側の手足に麻痺があった場合に疑われる病気は何でしょうか。

市原さん「片側の手足の麻痺が急に出現した場合に疑われる疾患は、脳梗塞です。麻痺のほかに、手足のしびれ、『ろれつが回らない』などの構音障害、ふらつき、ものが二重に見える複視、意識障害が起きることがあります。治療までの時間が遅れると、梗塞巣が拡大して症状が悪化したり、再梗塞を起こしたりする可能性があります。脳梗塞が起きて間もない時間であれば、原因となる血栓を溶かす血栓溶解療法が行われる場合があるため、なるべく早く専門病院を受診することが大切です。脳梗塞が疑われる症状を認めたらすぐに救急車を呼びましょう」

Q.親や身の回りの人にこうした症状があった場合、どう振る舞うのが適切でしょうか。

市原さん「緊急を要する疾患の可能性がある場合、なるべく早く医療機関を受診するように促しましょう。もちろん、脳梗塞や脳出血が疑わしい場合は救急車を呼んでください。自分で判断できない場合は、全国各地に24時間対応の救急相談センターが設置されているので早急に問い合わせてください」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック勤務。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。