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クラスター多数発生 「ブレークスルー感染」とは何か 注意点を解説

ブレークスルー感染の対策は?

Q.19都道府県に出されていた緊急事態宣言と、8県に出されていたまん延防止等重点措置が9月30日をもって、それぞれ解除されました。今後、ワクチンを2回接種した後に気を付けるべきことや日常生活を送る上での心構えについて、教えてください。

森さん「『ワクチンを2回接種した』という安堵(あんど)感は一方で、感染対策における油断につながる可能性があります。また、全国的に新規感染者数の減少はよいニュースですが、それによって、感染が人ごとになりがちです。しかし、経済活動が再開されても、しばらくは新型コロナウイルスと向き合い続ける必要があります。

そのため、『ワクチンを2回接種していても、人と接触する際はマスクを着用する』『小まめに換気する』『小まめに手洗いや消毒をする』『体調が悪い場合は外出を控える』『多人数、長時間のマスクを外す行為(会食、バーベキューなどの飲食を伴うレジャーなど)を避ける』『人が密集する場面を避ける』『大声で話さない』などの基本的な感染対策を徹底し、時間の経過とともにワクチンの予防効果が減少することも意識しながら、『感染しない、させない』よう努めることが大切です」

Q.では、小まめに手洗いや消毒をするなどの基本的な感染対策をすれば、少人数での外食や旅行をしても問題ないのでしょうか。

森さん「少人数での外食は店側も客側も感染対策が取れている店を選ぶようにし、リスクの高い行動を避けながら食事やお酒を楽しむことができれば、問題ないと思います。旅行も感染が拡大している地域との往来でなければ、外食と同様に感染対策をした上で実施できるでしょう。ただし、多人数のグループ旅行や訪問先での大規模な宴会などは感染リスクを高めるため、避けた方がよいでしょう。

また、冬に向けて、再び、新型コロナの感染が拡大することも予想されているので、感染が疑われる症状が出た場合に相談できる医療機関を近くに見つけておくことなども大切です」

(オトナンサー編集部)

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森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

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