強要で裁判も 給食の「牛乳」が飲めない子ども、どう対応する?
好きなものから牛乳に近づける
ただ、「子どもに強制するつもりはないけど、もし、無理なく牛乳を飲めるようになる方法があればいいのに…」と思う親御さんもいるでしょう。どのようにすれば、牛乳が飲めない・苦手な子どもが、飲めるようになるのでしょうか。まず、牛乳に限らず、食を広げるために大切な考え方に「好きなものから受け入れられる感覚を広げていく」というものがあります。
例えば、牛乳が飲めない場合、ミルクティーや飲むヨーグルト、ココアなど牛乳が含まれている乳製品がキーアイテムとなることがあります。つまり、ポイントは苦手なものを苦手なまま挑戦させず、牛乳が飲めない・苦手な子どもが好きなものから徐々に、100%の牛乳に近づけていくことです。
実際に以前、特別支援学校の先生の相談にのった際にも、牛乳が飲めない子どもがいました。その子どもの場合は「カルピスが好き」ということで、カルピスを牛乳と半々で割ると飲めるということでした。そこで、少しずつ、牛乳に対してカルピスの量を減らしていきました。具体的には、牛乳の割合を全体に対して1カ月ごとに5%ほど増やしていったのです。
また、これまではカルピスと混ぜるときに牛乳パックからコップに注ぐ様子を隠していましたが、あえて、その様子を子どもに見せてから飲んでもらうことを実践しました。あえて見せる方が効果的なのです。隠したり、だましたりしていると、それがばれてしまったとき、さらに食わず嫌いが広がり、これまで食べているものすら手を付けなくなることがあるからです。
そのように少しずつ、好きな感覚から広げていくことで、ついに半年後、100%の牛乳に自分から口をつけて飲めるようになりました。
牛乳に限らず、一つの食材を食べられるようになったり、飲めるようになったりするには、半年から数年かかることもあります。また、ほんの小さなきっかけから、食が広がることもありますが、その際には「楽しく食べているときだった」ということが多いのです。親など周囲の大人には、無理はさせず、「食べることは楽しいこと」ということを共有しながら、少しずつ、子どもたちを支えてあげてほしいと思います。
(月刊給食指導研修資料=きゅうけん=編集長 山口健太)

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