4月、環境変化で相談増 「給食」嫌で登校したくない子ども、どうすれば?
新学期が始まり、クラス替えなどの環境の変化で、給食の苦手な子どもは「給食が嫌で学校に行きたくない」と言うなど、さらに悪影響を受けるようです。親はどのように対応したらよいのでしょうか。

4月は新入学や進学によるクラス替えなどにより、子どもたちにとって、学びの環境が大きく変化する時期です。給食が苦手な子どもにも環境の変化は大きく影響し、その親からの相談が特に増える時期でもあります。子どもの小食や偏食に悩む保護者の相談に乗ったり、園や学校向けに給食指導の研修を行ったりしている著者が「給食が嫌で学校に行きたくない」という子どもに対して、どのように対応したらよいのか紹介します。
「気の持ちよう」で済まさない
先日、4月に小学3年生になった児童の母親から、「子どもの学年が上がり、給食で出されるパンの量が増えたらしく、おなかいっぱいで食べられなかったときに周りのクラスメートから、『それくらい一口で食べなよ!』と言われて泣いてしまったようです」というお悩みを聞きました。
その母親は担任との面談で、パンの量が多くなり、食べられないことやクラスメートとのやりとりについて話しました。担任も理解し、「気を付けて見ておきます」と言ってもらえたそうですが、新しいクラスになると、給食が苦手な子どもが新たな環境の中で困ることも多いと思います。では、こういう体験をして、「給食が嫌で学校に行きたくない」と子どもから言われたとき、親はどのように対応したらいいのでしょうか
まず、大切なのは、しっかりと子どもの話を聞いてあげることです。お風呂に入っているときや、子どもが未就学児ならば、一緒にお布団に入っているときなど、お互いリラックスしているときの方が本音は聞き出しやすいことが多いです。
その中で「何があって嫌になったのか」を聞ければ、今後の具体的な対応を考えることもできます。例えば、給食の量が多いのかもしれないし、給食を残してしまったことで怒られてしまったのかもしれません。
また、周りの友達とのトラブルがあったのかもしれません。特に偏食や小食の子どもであれば、「もっと食べなよ」と周りから圧力のようなものをかけられる一方、どうしても食べられないという状況が理解されないことで、1人で悩みを抱え苦しんでいるケースもあります。
そのようなときに「気の持ちようなんだから、頑張りなさい」などの一言で済ませてしまうと「誰も悩みを聞いてくれない、理解してくれない」とさらにふさぎ込んでしまうケースもあります。むしろ、「きちんと食べようとしているから、悩んでいるんだよね」と励ましてあげた方が子どもの気持ちも楽になります。
給食が苦手な子どもにとっては、担任からの理解があるかないかで、給食時間の過ごしやすさも大きく変わります。そのため、親としては子どもが給食を食べられない理由について、担任に上手に伝えていきたいところです。
一方で、筆者は教師からも相談を受けることが多いです。その内容は「子どもたちの給食指導をどう行えばいいか分からない」というもので、給食を食べられない子どもに対して、教師もどうすればよいのか分からないという現実があります。
2017年に行われた、埼玉県の公立小学校の教師が対象の給食指導に関する調査によると、「給食指導で参考にしていること」として挙がったのは「自分自身が家庭で受けた教育」が最も多く、次いで、「自分自身が小学校の時に受けた給食指導」「栄養教諭・学校栄養職員との相談」と続きました。「校内研修」などの研修や勉強会を参考にしている割合はとても低く、十分な知識の習得が行われないまま、現場に放り出されているという現状があります。
繰り返しになりますが、給食を食べられない子どもにどのように対応すればよいのか、教師もはっきりとした方法を知らないのです。こうした点を配慮しながら、子どもが給食を食べられない事情を担任に伝えることで、話し合いもスムーズになることが多いです。
コメント