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「細菌やウイルスは神の罰なのですか?」 ある神父の説教を分析する

コロナから何が学べるのか

 カミュは、全能の神が人々の最終的な救いのよりどころとなっている精神の支配と戦いました。パヌルー神父のように神に祈っても人間の命は救えない。救いには「行為」が必要だと説きました。これは、コロナ禍の社会では「心の優しさ」が必要だと解釈できます。この気持ちが他者に向けられるときに他者への救いとなるからです。

 今、カミュの「ペスト」が売れています。人間としての自由、行動、選択とは何か。オラン市で原因不明の熱病患者が発生し、人々を恐怖に陥れます。市は閉鎖され、解決策が見つからない中、立ち上がった人々は何をしたのか。感染症との戦いがひとごとでない今、70年前のこの長編小説が改めて読まれている理由は何か。

 なお、日本におけるペストは過去に複数回確認されています。最大の流行は1905~1910年の大阪府で、958名の患者が発生したものです。幸いなことに1927年以降、国内感染例はありません。

(コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「頭がいい人の読書術」(すばる舎)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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