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ボスママに気苦労、よその子の叱り方に神経…「ママ友」の難しさ、ありがたさ

子育てにはさまざまな難しさがありますが、「ママ友」との付き合いはその最たるものです。実際に悩んだことがある人たちの体験談を紹介します。

ママ友との関係はとても難しく…
ママ友との関係はとても難しく…

 子育てにはさまざまな難しさが付きまといますが、その中には、子どもとは直接関係ないものの必然的に発生する難しいこともあります。「ママ友」との付き合いはその最たるものではないでしょうか。ママ友との付き合いに悩んだことがある人たちの体験談を紹介します。

気が合う数人で仲良く

 まず、ママ友との付き合いの深さは、基本的に保育園と幼稚園で違うようです。5歳の息子を持つAさん(42歳、女性)は夫の転勤を機に専業主婦となり、子どもも保育園に預けるのをやめ、幼稚園へ通わせるようになりました。

「幼稚園に行くようになってから、お迎えの後、友達の家で遊ぶことも珍しくなくなりました。当然、親も付いていくので、嫌でもママ友との付き合いが生まれます。保育園はお迎えの後、直帰するのが当たり前だったので、夫が転勤した当初はママ友との距離感のギャップに戸惑いました」(Aさん)

 Aさんによると、保育園では子どものお迎えの前後も含めて、ママ友との付き合いがほとんどなかったそうですが、幼稚園に通うようになってからは、子どものお迎え前に集まるランチの誘いなど、ママ友との付き合いが生まれました。そうした親密な付き合いに最初はギャップを感じたそうですが、心配も杞憂(きゆう)だったようです。

「『お誘いを断るとのけ者にされる』という話をよく聞きますが、私のところは特にそういう雰囲気はありません。仲のいい人同士で気が向いたら行きましょうという感じで、私もお邪魔したり断ったりします。幼稚園の方がママ友との距離がよくも悪くも近いので、なんとなくプレッシャーに感じていたのですが、自分と気が合うママ友が数人見つかって、それからは楽しく過ごせるようになりました。

それと、最初は『苦手だな』と感じていたあるママ友さんと、子ども同士が仲良くなった成り行きで付き合いが生まれて、話してみるとすごく親しみやすい人で、『私の第一印象も当てにならないな』と内心恥ずかしく思ったことがあります」

 人間関係に恵まれれば、ママ友付き合いは歓迎すべきものとなります。

よその子を注意する難しさ

 元気いっぱいに遊ぶ子どもの姿は見ていてほほ笑ましいものですが、その保護者同士は時として緊張状態にあることも。小学2年の息子を持つBさん(39歳、女性)は、子どもの幼稚園時代を振り返ってこう話しました。

「ママ友との付き合いで一番気を使うのは、子ども同士で遊ばせているときでした。自分の子どもが悪いことをしたら、叱らなければならないのはもちろんですが、他の子どもが悪いことをしたときが特に難しいです。保護者がきちんと注意してくれればよいのですが、そうでない場合は私が口を出してよいものかどうか…保護者の立場もおもんぱかるべきなので、神経を使います。

それが嫌で、ママ友付き合いをおっくうに感じていた時期もあったのですが、くよくよと悩むのも面倒だから、『よその子どもでも注意すべきときはしよう』と決めたら楽になりました。大抵の場合は、私が注意すると、その保護者も気付いて注意する側に回ってくれました。

一度、うちの子どもが遊んでいるおもちゃを無理やり取って遊んでいた子どもを注意したら、そのママから、『うちの方針と違う』と抗議されたことがありました。こちらとしては優しくたしなめた程度のつもりでしたし、『方針も何も悪いことは悪い』という思いがあったので、『根本的に分かり合えなさそうなママ友とは関係がいくらこじれてもいいや』と思うようにしました」(Bさん)

 わが子を守りたいと思うのが親の情ですが、よその子どもにも、その子の親のそうした情が働いています。ママ友付き合いでは、そこに一定の気遣いを払う必要も出てきます。

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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