子どもの覚醒剤使用は「親の責任」なのか
覚醒剤と学校教育の顕著な関係性
それでは、この「教育」とは一体何なのでしょうか。
人によって意見は異なると思いますが、大枠で言えば「家庭における教育」「学校教育」の2つに分かれるでしょう。前者は倫理観や金銭感覚など「人として大事なこと」、後者は「勉強」ということになります。今回の覚醒剤に関しては、家庭での倫理教育が重要であることは論を待ちませんが、実は学校教育とも顕著な関係性があるのです。
下記は、矯正協会付属中央研究所が発表した「覚せい剤事犯受刑者の実態に関する研究」というレポートから抜粋した、覚醒剤絡みで受刑者となった人の最終学歴です。
男性 女性
中学卒業 74.9% 75.2%
高校卒業 18.8% 15.4%
高専卒業 1.2% 1.6%
専門学校卒業 2.0% 3.4%
大学卒業以上 2.2% 0.6%
その他 0.8% 3.4%
あくまでも実刑となった方のデータであり、多くの場合、執行猶予がつく初犯ではなく2回目以降だと思われますが、最終学歴として「中学卒業」が男女ともに約75%を占めています。続いて、高校卒業が男性18.8%、女性15.4%です。
本統計の平均年齢は38.5歳。38歳の人が11歳だった、今から27年前の1990年から、高校進学率は常に95%前後で推移しています。つまり、最終学歴が中学卒業という人は、その当時から現在まで5%前後。高校中退者も最終学歴は中学卒業ですが、彼らは高校進学者の2~3%程度であるため、中学卒業(高校中退含む)は全体の7%前後と考えられます。
わずか7%という少ない集団に、覚醒剤が絡んだ受刑者の75%が集中していることは、率直に驚きです。
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