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育児に協力的な夫、それでも“うんち”が片付けられず妻は怒り…子育ての悩みは十人十色

親より祖父母に懐く子ども

 Bさん(42歳、男性)には子どもが2人、5歳と3歳の兄弟がいます。共働きで忙しくしているBさん夫妻は協議の末、「おじいちゃん、おばあちゃんが近くにいてくれた方が安心だろう」ということで、Bさんの実家の近くにマンションを購入して居を構えました。

 保育園に通っている子どもたちですが、平日は夕食を祖父母の家で食べることが多いようです。「仕事でご飯の用意も大変だろうから、うちで食べていくといい」と祖父母からの申し出があり、Bさん夫妻がその言葉に甘えているというあんばいです。そして夕食後、子どもたちはなかなか家に帰りたがりません。祖父母宅に泊まっていく機会も徐々に増えていきました。

 Bさん夫妻は子どもたちをとてもかわいがっていますが、もちろん、それは祖父母も同様です。違うのは、祖父母が子どもたちを結構厳しく叱るという点です。

「うちの両親から言われたのは、『おまえは子どもを叱ることができていないから、悪いがこちらでそれをやらせてもらっている。本当はおまえが親としてきちんと『駄目なときは駄目』としっかり叱れるようにならなければいけない』とのことで。

確かに、妻も、特に僕がですが子どもを叱るのが苦手というか、『仕事の都合できちんと面倒を見られていなくて子どもに申し訳ない』という思いがあり、つい甘くしてしまいがちな部分があります」(Bさん)

 子どもたちにとっては「ひたすら優しいパパとママ。優しいけど怒るとちょっと怖いおじいちゃんとおばあちゃん」で、両親の方がより大好きになりそうなものなのですが、これがおじいちゃんおばあちゃんの方に異様に懐くようになりました。

「子どもたちは毎日、実家の方に行きたがって、実家に連れていったら上の子なんかは『パパはもう帰っていいよ』なんて言うんです。とうとう、『おじいちゃんとおばあちゃんの子どもになる』なんて言うようになって。下の子もお兄ちゃんのまねなのか分かりませんが、似たような言動を示すようになり…」

 叱ることによって信頼関係が強化されているのでしょうか、とにかく、Bさん夫妻は親として子どもに振り向いてもらおうと必死です。

「休日は家族でどこかに出掛けようとするのですが、子ども2人は『おじいちゃん、おばあちゃんの家に行く』の一点張りで。向こうは孫が来て喜んでくれていますが、行かせすぎは負担になるでしょうし、正直言ってこの状況、僕と妻は寂しいです(笑)休日なんかは、せっかくだから家族で過ごしたい」

 祖父母と子どもが仲むつまじくしているのは喜ばしいですが、蚊帳の外に置かれて思わず寂しく感じてしまうBさん夫妻の哀愁には、第三者として共感できつつも応援したくなるようなキュートさがあります。

 Bさんは「うちの両親にならって、しっかりと叱れる親になれば、子どもたちももう少しこちらを向いてくれるかもと、妻と協力して鋭意奮闘中です」と話しました。

 子育てに関する悩みは、子どもの成長に伴って形を変えていきます。一つの悩みが解決したと思ったら、次の悩みが出てくることもあるはずです。悩みと向き合い続けるのは大変なことですが、解決したかつての悩みはいつかの笑い話にしていくことができます。

 子育ては本当に大変な一大事業なので、あまり無責任なことは言えませんが、悩みの一つ一つがいつか家族の思い出になっていくことを切に願うばかりです。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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