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育児に協力的な夫、それでも“うんち”が片付けられず妻は怒り…子育ての悩みは十人十色

子育てに悩みはつきものですが中には、親が真剣に悩んでいても、他人が聞くと思わずクスリと笑ってしまうものもあります。

子育ての悩みは十人十色で…
子育ての悩みは十人十色で…

 子育てに「悩み」はつきものですが、悩みの内容がどのようなものかは十人十色です。悩みは子どもの個性と親の個性、そして、育児の環境などによって変わってくるので、親子の数だけ悩みがあるといっても過言ではありません。

 そうした悩みの中には、親が真剣に悩んでいたとしても、他人が聞いたら思わずクスリと笑ってしまうようなものもあります。そのような子育てのエピソードを紹介します。

うんちが片付けられない夫

 共働きのAさん(32歳、女性)世帯では、夫がとても積極的に育児をしています。夫自身が「子育ては2人のタスク。“手伝う”というのは好きじゃない」と考えていたからです。

 とはいえ、出産から始まって授乳(母乳の場合)などはやはり、妻にしかできないタスクですし、仕事はAさんの夫の方が帰りが遅いため、物理的にAさんが育児に費やしている時間の方が長くなります。

「夫はそれを申し訳なく思っているようで、子どもと一緒にいられる時間は極力、育児をしてくれようとしていました。私より長く働いて、仕事で疲れているだろうに、本当にありがたい限りです」(Aさん)

 ここまで聞く限りでは「お互いが感謝を忘れない美しい夫婦」という感じですが、話はここで終わりません。Aさん夫婦にも子育ての悩みはしっかりあるのでした。

「夫は基本的に、育児なら何でもやれるのですが唯一、子どものうんちが片付けられないのです。片付けている最中に気持ち悪くなるようで、それでも我慢して片付けているといよいよ催して、トイレに駆け込んで吐いてしまいます。そんなに苦しいのなら、うんちの片付けは私がやればいいだけの話なので特に問題はないのですが…」

 子どもがうんちをしたときの夫の反応が、時と場合によってAさんの神経を逆なですることがあるようです。

「それを発見したときの夫の反応がとにかく毎回大げさで、ものすごいんです。『やばい、うんちしてる!』『臭い臭い!』と大騒ぎで。私も余裕があるときは何てことないのですが、疲れているときにそれを聞くとイライラしてしまって…。

『そんなに騒がなくていいでしょ』『まるで子どもを責めているみたいだからやめて』と喉まで出かかるんですが、本当にそのとき以外は、夫はよく頑張ってくれているので、こちらもそれくらい我慢した方がいいのかなという気もして…」

 Aさんの夫の拒絶反応は離乳食の時期から始まり、しばらく続きました。しかし、夫の大騒動に慈悲の無言で耐えるAさんの念が通じたのでしょうか、子どもが1歳を少し過ぎた頃、Aさんの夫は、うんちの片付けができるようになりました。

「本人によると、見た目と臭いが『くる』らしく、いろいろ試行錯誤していたようですが、『マスクとサングラスを装着する』という最終形態に至って、片付けができるようになりました。サングラスをかけても薄目にして、マスクの中にティッシュを丸めたものを詰め込んで、臭いを遮断すれば何とか大丈夫らしいです。

もちろん、そこまで大変な思いをして片付けをしてもらわなくてもいいと私は思っているので、やれるときは私がやるようにしていますが、夫は自信につながったようで、前ほど騒がなくなり、私がイライラすることもなくなりました。今は発見すると、夫は低く静かに『きたか…!』とつぶやきます」

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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