「会えないから…」と結婚するカップル 3密で“会えない”婚活市場の今
「密閉」「密集」「密接」の“3密”が呼び掛けられる中、婚活市場も大きく様変わりしているようです。
新型コロナウイルスがまん延し、世界中が混乱しています。日本でも4月7日、安倍晋三首相による緊急事態宣言が出されました。
「密閉」「密集」「密接」の“3密”を避けるよう、国や自治体が呼び掛けていますが、お相手に会わなければ始まらないのが婚活です。そんな中で婚活市場が今、大きく変わり始めています。
お見合いのリスケが続く婚活業界
中国・武漢市から発生したといわれている新型コロナウイルスですが、年が明けた頃から瞬く間に世界中に広がっていきました。
当初、日本では、「よその国の出来事」と人ごとのように捉えていた人たちも多かったのですが、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の船内感染が報じられ、その後、芸能界での感染者も出てくるようになり、コメディアンの志村けんさんが亡くなったことで、一気に緊張感が高まっていきました。
それに伴って、婚活市場も混乱していきました。2月に入った頃から、既に日程が決まっていたお見合いの「日程再調整」を申し出る人が増えてきました。電車に乗ったり、対面で会ったりすることを避ける人が出てきたのです。お見合いは2人でするものなので、どちらか一方が延期を申し出ると、もう一方は会う気でいても、日程を再調整せざるを得ません。
「不要不急の外出は避けるように」という政府の要請が出ていましたが、吉田史也さん(37歳、仮名)は「お見合いは一生の伴侶を決める出会いなので、“不要不急の外出”ではない」と考えていました。そのため、河本佐江さん(32歳、仮名)とのお見合いは、通常通りやるつもりでいたのです。
ところが、佐江さんの相談室から、「緊急事態宣言が明けた5月以降のお見合いにしてください」という連絡が入りました。
仲人さんは、私に言いました。
「河本は看護師なので、プライベートで人と接触することはできるだけ避けるように勤務先の病院から言われているようです。また、医療現場も混乱しているので、彼女も疲労がたまっています。『コロナが落ち着いてからでないと、婚活をする余裕がない』と言っています」
確かに今、心身共に一番大変な思いをしているのは、医療従事者でしょう。このことを史也さんに告げると、彼もそれには納得し、こんなことを言いました。
「分かりました。楽しみが先に延びたと思って待っていますよ」
いつ終息するかは今のところ分かりませんが、「楽しみが先に延びた」と捉えることができる史也さんは、前向きな考え方ができる人なのでしょう。一日も早く、2人がお見合いできる日が訪れるといいなと、私も願っています。
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