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8000万円のマンション買う 年収1400万円男性の大風呂敷に「交際終了」の宣告

お見合いで「仮交際」から「真剣交際」に入ると、大きな問題になるのが「住む場所」。そこで折り合いがつかずに交際が終了してしまうカップルが多いようです。

「住む場所」が理由で交際終了を告げられ…
「住む場所」が理由で交際終了を告げられ…

 結婚相談所では、お見合い後にまず「仮交際」に入り、その後、結婚について真剣に考えるようになると「真剣交際」へとステータスが変わります。これは結婚に向き合う意識をより高めていただきたいからです。

 真剣交際に入ると、結婚後の生活をどうしていくか、具体的なすり合わせに入ります。ここで意外と大きな問題になるのが「新居をどこにするか」、すなわち住む場所のこと。その折り合いがつかずに交際を終了してしまうカップルがとても多いのです。

都会を離れるのは嫌

 吉村夕美さん(36歳、仮名)は生まれも育ちも東京23区内の住宅街で、現在は派遣で働いています。恋愛もそれなりにしてきましたが、実家暮らしが快適で、結婚を考えないまま30歳を越えてしまいました。

 気が付いたら34歳。慌てて始めた2年間の婚活の末、同い年の権田秀太郎さん(仮名)に出会って、真剣交際へと進みました。その当初、夕美さんはこんなことを言っていました。

「こんなに価値観が合う男性は初めてです。お見合いをしてもしても『結婚したい』と思える男性に巡り合えなかったので、正直、もう結婚は無理かなと諦めていました。婚活を続けていて本当によかった」

 秀太郎さんは東京の隣の県の出身でしたが、都内の私立大学を卒業し、青春時代は都内が遊び場でした。2人は同い年なので、流行したものや遊んでいた場所も共通していて、お見合いのときからとても話が合ったそうです。

 デートを重ねていくたびに気持ちが盛り上がり、お見合いから2カ月でスムーズに真剣交際へと入った2人。ところが、結婚後の生活について具体的な話をするようになると、だんだんと考え方に相違を感じるようになりました。一番納得できなかったのが結婚後に住む場所でした。

 あるとき、夕美さんが「相談したいことがあります」と私の事務所にやってきました。そして、困惑した顔でこう言いました。

「秀太郎さんから、『結婚したら僕の実家の近くに一戸建てを建てて、そこを新居にしたい』と持ち掛けられました。彼の実家は特急に乗れば都心まで1時間、普通電車だと1時間半かかります。彼は『うちの会社は交通費が全額支給だし、特急券を買えば座っていけるから通勤には問題ない』と言うんですが…」

 秀太郎さんは実家の近くに引っ越しても、仕事には何の支障も来しません。ところが、夕美さんは仕事に通うのに普通電車なら2時間弱かかります。派遣なので、特急を使う交通費はおそらく出ないでしょう。そうなると、転職を強いられます。このことを告げると、彼はこう言いました。

「夕美ちゃんは派遣なんだし、通いやすいところで新しい仕事を見つけたらいいよ」

 この言葉を聞いて、夕美さんは憤慨しました。

「結婚後にどこに住むかを勝手に決めてしまうのは、彼の中で『社員の僕が“上”で、派遣の彼女は“下”』という図式ができているからですよね。私は都会で生まれ育ったし、車を足代わりにしないと生活できないような場所では暮らしたくありません。あと、彼のご両親の近くで生活を始めたら、新婚生活に何かと口を出されそうで気が重いです」

 都会育ちの女性は地方に住むのを嫌がります。しかし、結婚したら、それまでの生活環境が変わるのは当たり前のことなので、私は「住む場所については、2人でよく話し合ってみましょうね。これはどのカップルも通る問題ですよ」と言いました。

 しかし、1カ月後に夕美さんが出した答えは「交際終了」でした。

「彼は私の言葉に全く耳を貸してくれなくて、自分の考えばかりを押し通してきました。今回の一件で彼の本性が見えた気がしました。結婚して全てがこの調子だったら、私はやりたいこともできず、我慢しながら生活をしていかないといけない。それではすごく窮屈だし、やっぱり、東京を離れたくない。便利な生活に慣れているので、彼の地元で生活するのは無理だと思いました」

 こうして、夕美さんと秀太郎さんの真剣交際は終了となったのです。

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)、YouTube「仲人はミタ チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA)。

コメント

1件のコメント

  1. 都会から電車で1時間ちょっとの、車がないと生活できない田舎なベッドタウンに住んでおります。今は派遣でも交通費が出るところが多いので少し前の話でしょうか。

    ひとつめの事例は、住む場所というより、意見の相違があった時の落とし所のつけ方…ですね。お互いに「実家近く」を捨てて歩み寄るとかできればよかったのでしょうけど、彼が「嫁に来るなら夫の実家の近くに住むのが当たり前」という価値観しかない人なら結婚してからのほうが大変そうです。

    ふたつ目は、これ、男性の意見、至極当たり前のことを言っていて、100%同意なんですけど。そして、余裕があるなら尚更勿体なくても半年か1年は賃貸で住みたいエリアに住んでみることを勧めます。住んでみないとわからないこともありますから。
    ただ、男性の実家の近くである必要はないと思うので、そこは相手に余計な警戒心を抱かせてしまったのは大失敗ですね。

    ところで、自営業でその金額、ローン組めるのでしょうか?会社名義で借りて経費で落とすほうが良いのでは?老婆心ながら。