相手を知り、知ってもらう努力なしに「婚活での結婚」は成功しない
新型コロナウイルスはこれまで、「結婚」を意識していなかった人たちを変えたようです。しかし、どうすれば婚活で成功できるのでしょうか。

今年は新型コロナウイルスの話題で持ちきりです。感染拡大は今もなお続き、終息する見通しは立っていません。今後はコロナと共生共存する時代になっていくのでしょう。
コロナのまん延によって、婚活市場でもリモートお見合いが普及したり、デートのときでもマスクをしたりと、大きく様子が変わってきました。また、「1人は気ままでいい」と思っていた独身者の中には、コロナをきっかけに「結婚したいと思うようになった」という人たちも出てきました。
今回は、コロナによって改めて結婚を意識した人たちに向けて、どうすれば婚活で結婚できるのかを解説しましょう。
部屋の中で何をするのも1人…
先日、入会面談にきた吉本太郎さん(38歳、仮名)が、こんなことを言いました。
「32歳のとき、1年一緒に暮らしていた3つ上の女性がいました。その頃、自分がキャリアアップを図って資格を取るための勉強をしていたので、それに合格したら結婚しようと思っていたんです。
ところが、最初の年は試験に不合格。そんな時期に、36歳になった彼女に結婚を迫られましたが、自分に自信がなくて結婚を決断できなかった。結局、彼女に振られてしまいました」
2年目のチャレンジで試験に合格。そこから新しい会社に就職して、仕事は安定したものの、その後は付き合う彼女はできるのに長続きせず、ここ2年くらいは出会いもなく、恋愛することもなく過ごしていたといいます。
「だんだん、1人でいることが気楽になっていました。ところが、今年に入ってコロナの問題が出てきて、緊急事態宣言の期間中、在宅勤務になったんです。週に1、2度は会社に行く日もありましたが、電車に乗ると驚くほど人が少なかったし、街もガランとしていた。在宅の日はほとんど家から出ない。そんな生活が続いていく中で、部屋でだんだんと孤独を感じるようになったんです」
ご飯を食べるのも1人、テレビを見るのも1人、音楽を聴いたりゲームをしたりするのも1人…。
「今、自分がこの部屋で死んだら、誰が発見するんだろう。『連絡がつかない』って実家の両親か会社が警察に連絡して、警察と一緒に死んだ僕を見つけに来るのかなと思ったら、急にむなしくなってきました」
そんなときに、彼女と同棲(どうせい)していた頃のことを思い出したそうです。
「一緒に暮らしていれば、イラッとくることもあったし、ささいなことでけんかをしたこともあった。でも、一日あった出来事を話しながら夕食を食べたり、休日に2人でテレビを見たり、ゲームをしたり、近所のスーパーに買い物に出かけたり…そういう何気ない日常も楽しかったなって、懐かしくなったんです」
「結婚したい」「できることなら子どもを授かって、家族を築きたい」。そう強く思ったというのです。
ゴールデンウイークに帰省できなくて
佐藤亜佑美さん(42歳、仮名)は地方公務員で、仕事は安定しています。大学を卒業するときに就職氷河期にぶつかり、同級生たちが就職できずにいる中、彼女は地元の役所に就職することができました。
「公務員ですから、給料は安定しています。ただ、家と役所の往復なので、出会いが圧倒的にないんです」
入会面談に来た亜佑美さんは、大きなため息をつきました。
「これまで、恋愛に奥手というか、学生時代は男性とお付き合いすることもなく社会に出てしまいました。役所は皆さん、結婚が早いんです。就職したての頃、年の近い独身の男性が何人かいましたが、尊敬できていいなと思える人たちは皆、20代で結婚してしまいました」
そして、今回の新型コロナウイルスまん延でステイホームが呼び掛けられるようになり、仕事がない日は家で過ごすようになると、急に孤独を感じるようになりました。
「私は関西の出身なんです。緊急事態宣言が出されて、ゴールデンウイーク中は実家に帰省することもできず、都内のアパートでずっと1人で過ごしていました。出掛けるのは近所のスーパーくらい。スーパーに行くと、たくさんの家族連れがいました。旦那さんがカートを押して、奥さんが子どもの手を引きながら食材をかごの中に入れている様子に目がいきました」
「これ、安いね」「保存できるから多めに買っておこう」…そんなたわいない会話をしている様子が、すごく幸せそうに見えたといいます。
「1人分の食べ物を買っている自分とは、明らかに食材の量が違うんです。家に帰って料理をして、家族でいろんな話をしたり、笑ったりしながら食べるんだろうなって。家でいつもテレビを見ながら1人でご飯を食べている自分が、何だかとても寂しく思えて、胸が苦しくなりました」
そこで、「もう子どもは授からなくてもいいから、将来を一緒に歩いていけるパートナーが欲しい」と強く思ったそうです。
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