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8000万円のマンション買う 年収1400万円男性の大風呂敷に「交際終了」の宣告

マンションを買うんじゃなかったの?

 住む場所でもめた、もう一組のカップルの話です。

 私の会員の大島洋輔さん(40歳、仮名)は自営業で年収が1400万円ありました。お見合い後、真剣交際に入った喜田美衣子さん(36歳、仮名)はあるメーカーに勤めていたのですが、年収は300万円弱で“セレブ婚”を夢見ているようでした。

 あるとき、美衣子さんのお仲人さんから、こんな連絡が来ました。

「彼女は洋輔さんとの結婚にとても前向きです。これまでお付き合いをしてきた男性たちに比べて、連れていってくれるお店もおしゃれなところが多いし、支払いも美衣子さんがトイレに立った隙に、カードでスマートに済ませてくださっているとか。本当にいいご縁をありがとうございます。このままうまくいくといいですね」

 私も2人が成婚に向かって関係を深めていくことを願っていました。ところが、新居の話から雲行きが怪しくなっていったのです。

 あるデートのとき、2人で「結婚したら新居はどこにしようか?」という話になったそうです。そのとき、洋輔さんがスマホで物件情報を検索しながら、美衣子さんに言いました。

「8000万円くらいの物件なら、何とか頑張れば買えるかな。賃貸なら、買ってしまった方がいいよね」

 その言葉を聞いて、美衣子さんは都心の8000万円の3LDKマンションに暮らす自分を想像したのでしょう。

 ところが、次のデートのとき、再びスマホで物件情報を検索していた洋輔さんがこんなことを言い出したのです。

「いろいろ考えたんだけど、今、物件を買うのは正解じゃない。コロナがいつ終息するか分からないし、来年の東京五輪が終わるまでは、日本の経済がどうなるか予想できないからね。まあ、五輪自体やるかどうかも今は分からないし。ここ1、2年は世の中の動向を見て、不動産はその後に買った方が賢いね」

 さらに、こう続けました。

「家を買うまでは無駄な出費をしない方がいいから、新居の家賃はなるべく抑えたいね。ここ1、2年の話なら、最初は2LDKのマンションを借りようよ。うちの実家の近所なら都内よりも安く借りられるし、電車に30分も乗れば都心に行けるから、新居はその辺りにするのはどうかな」

 何だか、話が急激に縮小したのです。

 この話をした翌日、美衣子さんから洋輔さんにLINEが届きました。

「先日、『8000万円のマンションなら何とか買える』というお話だったので、そのことを父や母に言ってしまいました。そしたら昨日、急に話が変わってきたので、それも両親に話したら、『その男性は本当に信用できる人なのか?』と言われました。あと、両親が心配していたのは『結婚後の新居を男性の実家の近くに寄せて、結局は両親の近くに住みたいんじゃないか』って。私も昨日の話を聞いて、そんな気がしました。これからのことを少し考えさせていただいてもよいですか?」

 そして、このLINEの3日後に「交際終了」の連絡が来たのです。

 洋輔さんは私に言いました。

「マンションを買わないとは言っていないんですよ。世の中の景気の動向を見て、買う時期を選ぼうという提案だった。あと、実家の近くに住むと言ったことで、僕が両親の介護を押し付けるとでも思ったのかな。マンションを買わないと分かった途端、こんなに態度を変えるのは、僕との結婚がお金目当てだったのですかね」

 これは仲人の見解からすれば、「言う順番を間違った」のだと思うのです。

 最初に大きな夢のような話をして、次にその話を縮小させたらがっかりしてしまいます。大風呂敷を広げたものの、包むもの(現実)が小さくなっていたら、女性の気持ちは裏返ることもあるでしょう。住む場所に限らず、全てにおいて言えることです。これが逆のパターンで、小さな話が大きくなっていくのならよいのです。

 また、男性側は「お金を出すのはこっちなのだから、自分の都合に寄せよう」と思いがちです。しかし、それを押し通すと女性の反発を買い、まとまる話もまとまらなくなります。とりわけ、住む場所問題はトラブルになりやすいのです。

 ただ、女性側にも認識しておいてほしいのは、結婚をすることは「住む場所も生活スタイルもガラリと変わる」ということです。住む場所に関しては2人で話し合いながら、納得できる着地点を見いだせるとよいですね。

(仲人・ライター 鎌田れい)

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)、YouTube「仲人はミタ チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA)。

コメント

1件のコメント

  1. 都会から電車で1時間ちょっとの、車がないと生活できない田舎なベッドタウンに住んでおります。今は派遣でも交通費が出るところが多いので少し前の話でしょうか。

    ひとつめの事例は、住む場所というより、意見の相違があった時の落とし所のつけ方…ですね。お互いに「実家近く」を捨てて歩み寄るとかできればよかったのでしょうけど、彼が「嫁に来るなら夫の実家の近くに住むのが当たり前」という価値観しかない人なら結婚してからのほうが大変そうです。

    ふたつ目は、これ、男性の意見、至極当たり前のことを言っていて、100%同意なんですけど。そして、余裕があるなら尚更勿体なくても半年か1年は賃貸で住みたいエリアに住んでみることを勧めます。住んでみないとわからないこともありますから。
    ただ、男性の実家の近くである必要はないと思うので、そこは相手に余計な警戒心を抱かせてしまったのは大失敗ですね。

    ところで、自営業でその金額、ローン組めるのでしょうか?会社名義で借りて経費で落とすほうが良いのでは?老婆心ながら。