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「会えないから…」と結婚するカップル 3密で“会えない”婚活市場の今

リアルに会えないなら、オンラインでお見合いを

 実際に会ってお見合いができない状況が続く中、結婚相談所業界では、テレビ会議ができる「Zoom」というアプリを使ってお見合いをすることを奨励するようになりました。

 結婚相談所では個人情報を保護する観点から、登録サイトには会員番号のみが出ていて、お名前は出ていません。お見合いが成立すると、お相手に名字のみをお知らせします。お見合い後に「交際」になると、そこで初めてフルネームと連絡先の交換をするのです。

 スカイプやLINEのビデオ通話は、個人のIDを交換しないとつながることができないので、お見合いには使えません。

 しかし、Zoomは仲人がホストとなり、お見合い開催のミーティング設定をして、URLとパスワードを2人に送れば、個人情報を交換することなく、パソコンやスマホを見ながらお見合いができるのです。

 有吉貴男さん(38歳、仮名)は佐野智美さん(32歳、仮名)とのお見合いが成立すると、智美さんの相談室からZoomでのお見合いを提案されました。そのことを告げると、貴男さんが言いました。

「画面上でお見合いするってどんな感じなんでしょうね。初めての試みなので、感覚が分かりませんが、トライしてみようと思います」

 智美さんの仲人さんがホストをしてくださり、ある土曜日の午後1時より、「Zoomお見合い」が開催されました。

 終えた後、貴男さんが言いました。

「最初は、画面を見ながら話がスムーズにできるのかなと思っていたんですが、話も盛り上がって、40分があっという間でした。交際希望でお願いします」

 また、Zoomは背景を好きな写真や絵に変えられるので、変えてしまえば部屋の様子が映ることもありません。智美さんの背景は、熱海のパワースポットとして有名な神社でした。貴男さんもかつて、そこを訪れたことがあり、その神社のことや熱海の観光、名物品の話でひとしきり盛り上がったといいます。

 お見合い後、智美さんからも交際希望が来ました。それから2週間後に、貴男さんからこんな連絡がありました。

「最初がZoomのお見合いだったので、ファーストコール以降も頻繁にZoomで話をしています。慣れてくると、これが楽しいんですよ。LINEの文字のやりとりよりも、顔が見えて生の声を聞くことができると、より身近に感じます」

 今回の新型コロナ騒動で、会員の動向は本当にさまざまでした。休会を決めた人、自由に行動できないことをストレスに感じている人、業務連絡のLINEを入れても既読スルーで返信もしてこない人…そんな中でも、この状況下をどう楽しむか、そのやり方を見つけた貴男さんと智美さんは、お似合いのカップルではないでしょうか。

 この2人が結婚したら、どんな事態が起こっても強く、たくましく、前向きに笑っていられる夫婦になりそうですよね。

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)。

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