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あなたの老後は大丈夫? 基礎から学べる「年金制度」

老齢年金

老齢年金は2階建て構造になっている

・老齢年金とは

 老齢年金は、年を取ったときに一定の要件を満たしていれば受け取ることができる年金です。年金額は、加入していた制度や生年月日、加入期間、平均給与などによって異なります。

・老齢基礎年金

 老齢基礎年金は、通常65歳から受け取れる年金です。老齢基礎年金をもらうためには、原則として25年以上の加入期間が必要で、加入期間は「保険料納付済期間」「保険料免除期間」「合算対象期間」の合計で計算されます。

【保険料納付済期間】

 20歳から60歳までの40年間のうち保険料を納めた期間(納めなかった期間は保険料未納期間といいます)。年金別の保険料納付済期間は以下の通り。

第1号被保険者(自営業者など):自ら国民年金保険料を納めた期間
第2号被保険者(サラリーマンなど):給与から天引きされる形で保険料を納めた期間
第3号被保険者(サラリーマンの妻など):夫に扶養されていた期間

【保険料免除期間】

 以下の免除が承認されると、その期間は加入期間に算入されます(年金額は一定の割合で減額)。なお、「学生納付特例」や「若年者納付猶予」による免除期間は、追納がなければ年金額には反映されません。

法定免除:生活保護を受けている人や障害年金1級・2級の受給者など
申請免除:所得が低いために生活が困難な人や学生、退職者、失業者など
※申請免除には「全額」「半額」「4分の1」「4分の3」などの種類があります

【合算対象期間】

 年金額には反映されないものの、加入期間に算入される期間。主なものは以下の通り。

◯昭和36年4月以降の厚生年金保険(共済組合)加入期間のうち、20歳未満、もしくは60以降の期間
◯昭和36年4月~昭和61年3月の間で、サラリーマンなどの被扶養配偶者だった20歳以上60歳未満の期間
◯昭和36年4月~平成3年3月の間で、20歳以上60歳未満の学生だった期間
など

 なお、国民年金への加入が義務付けられる期間を「加入可能年数」といい、現在は40年間(20歳~60歳)です。この期間ずっと保険料を支払った人は、老齢基礎年金が満額(78万100円=平成27年4月現在)受け取れます。

【老齢基礎年金の計算式】

<平成21年4月以降分>

老齢基礎年金=78万100円×{(保険料納付済期間の月数+全額免除期間の月数×4/8+4分の1納付期間の月数×5/8+半額納付期間の月数×6/8+4分の3納付期間の月数×7/8)÷480}

老齢基礎年金の計算式(平成21年4月以降分)

<平成21年3月以前分>

老齢基礎年金=78万100円×{(保険料納付済期間の月数+全額免除期間の月数×1/3+4分の1納付期間の月数×1/2+半額納付期間の月数×2/3+4分の3納付期間の月数×5/6)÷480}

老齢基礎年金の計算式(平成21年3月以前分)

・老齢厚生年金

老齢厚生年金の種類

 老齢厚生年金は、厚生年金保険から支給される年金で、老齢年金の2階建て部分に当たります。老齢厚生年金の額は、これまでに保険料を支払った期間と平均給与によって決まり、一般に給与が高かった人ほど年金額は大きくなります。老齢厚生年金には、65歳からの本来の老齢厚生年金と、60歳代前半にもらえる「特別支給の老齢厚生年金」の2種類があります。

特別支給の老齢厚生年金

 現在は、一定の要件を満たせば、65歳になるまで「特別支給の老齢厚生年金」をもらえる人がいますが、平成13年度からは「定額部分」が徐々になくなって「報酬比例部分」だけになります。平成25年度からは報酬比例部分も徐々になくなって、将来は65歳支給に統一されます。

【特別支給の老齢厚生年金】

特別支給の老齢厚生年金=定額部分(65歳からの老齢基礎年金に相当)+報酬比例部分(65歳からの老齢厚生年金に相当)

・65歳からの老齢厚生年金

 65歳からの老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格があり、なおかつ厚生年金保険に1カ月以上加入していた人がもらえます。老齢厚生年金は、老齢基礎年金に上乗せして支払われ、年金額は、現役時代の平均給与(平均標準報酬月額)に比例して決まります。

【老齢厚生年金の計算式】

<平成15年3月までの加入期間分>

老齢厚生年金の計算式(平成15年3月までの加入期間分)

<平成15年4月以降の加入期間分>

老齢厚生年金の計算式(平成15年4月以降の加入期間分)

※「平均標準報酬月額」は、平成15年3月までの標準報酬月額の合計を平成15年3月以前の加入期間の月数で割ったもの
※「平均標準報酬額」は、平成15年4月以降の標準報酬月額の合計と標準賞与額の合計を総額し、平成15年4月以降の加入期間の月数で割ったもの

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福島紀夫(ふくしま・のりお)

社会保険労務士法人相事務所代表社員

特定社会保険労務士・経営学修士。大学卒業後、1988年から医薬品商社にて病院、クリニックの営業に12年間従事し2000年に現職に転職。2013年、明治大学大学院経営学研究科修了。組織やリーダーシップ理論等を学び、修士論文は「看護師長のリーダーシップが看護師定着に与える影響に関する考察」。「生産性の上がる組織を作るためには経営者の意識改革も必要」が持論。一般企業や医療機関の経営者目線に立ったアドバイスを行っている。

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