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新型コロナは、口腔ケア&栄養サポートで感染予防できる ISOM声明に歯科的見地を加えて

国際オーソモレキュラー医学会正会員で歯科医師の森永宏喜さんによる、新型コロナ感染予防のための「緊急提言」とは?

森永宏喜さん
森永宏喜さん

 新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中に広がりました。感染は世界124カ国に広まり、感染者数14万人、死者は5000人を超えています。世界保健機関(WHO)はパンデミック(世界的大流行)を表明しましたが、その結果、世界中がパニックに陥ることになりました。新型コロナウイルスについては未知の部分が多いものの、予防策がないわけではありません。

 今回は、国際オーソモレキュラー医学会(ISOM)正会員、米国アンチエイジング医学会認定医(ABAAHP)、日本抗加齢医学会専門医、日本アンチエイジング歯科学会常任理事で歯科医師の森永宏喜さんの「緊急提言」に耳を傾けたいと思います。

「緊急提言」の要点とは

 新型コロナウイルス感染は「拡大を抑え込めるか、いまがヤマ場」という状況です。インフルエンザが、ワクチンや治療法が確立されているのに対し、新型コロナはそれがまだないため、国民の不安を助長し、デマさえ飛び交うありさまになっています。

 そうした中、ISOMは1月26日、「ビタミンCがコロナウイルス感染を防ぐ」との緊急声明を全世界に発信しました。ISOMは、栄養素で病気を治療することを目指す医療者により、1994年に創立、カナダ・トロントに本部を置き、世界22カ国に支部を持つ学会組織です。2012年より、柳澤厚生・元杏林大学教授が3代目の会長を務めています。

「新型コロナ感染の重症例の多くは、高齢者や基礎疾患のある人です。栄養状態、免疫力などが整っていれば感染と重症化のリスクは低下するということです。治療薬やワクチンがまだない以上、『私たち自身の抵抗力を上げる』のが有効なことは論を待ちません。

3月3日、柳澤会長が『新型コロナウイルス感染症感染予防と治療のための栄養療法』とのテーマで報道関係者向け説明会を開催しました。その内容に歯科的な見地を加えて“緊急提言”したいと思います」(森永さん)

「声明で、感染予防と重症化防止のための栄養素が推奨されました。特に重視されているのが、ビタミンC(VC)、次いでビタミンD3(VD)、亜鉛です。VCが呼吸器感染症に有効との報告は多く、例えば、VC1グラムを1時間ごとに6回、以後、1日3回投与すると、投与しない場合と比較して風邪とインフルの症状が緩和し、また、1グラムを1日3回投与することで症状を予防できたとの報告があります」

「ここになぜ“口の中”が関わるかというと、歯周病がVCを消費してしまうからなのです。歯周病の悪化に大きく関わるジンジバリス菌という細菌が多いほど、つまり、歯周病が重度なほど体内のVCが少なかったとの報告がみられます。歯周病が重症化して体内のVCが目減りしていれば、ウイルス性の呼吸器感染症にかかるリスクが高くなる恐れがあります」

ビタミンD、亜鉛も口腔との関係は深い

「VDはこれまで、骨を増やすビタミンと考えられていましたが、最近は免疫強化に役立つことも分かっています。小中学生が1日に、サケの切り身約100グラム分(1200IU)のVDを摂取したところ、A型インフルエンザにかかる率が42%減少したという研究や、VD過不足の尺度となる数値が一定以上の場合、それに達しない場合から、急性ウイルス性上気道感染症のリスクが2分の1に、また回復までの期間も大幅に短縮したとの報告もあります」

「そして、まだ研究途上ではありますが、歯周病が進んでいる人は体内のVDが不足状態だとの報告もみられます。多くの調査では、日本人の約7~9割がVDの不足状態とのことですので、新型コロナに限らず、ウイルス性呼吸器感染症のリスクを下げるには、VDを十分に摂取すること、そして、歯周病をしっかり治療しておくことが望ましいでしょう」

「日本人の子ども、老人、女性で亜鉛摂取量が減少しているとの報告があります。VC1グラム+亜鉛10ミリグラムを5日間投与され、風邪症状が早期改善したとの報告がある一方、歯周病患者では体内の亜鉛が不足していたとの報告もあります。歯周病と呼吸器感染症は亜鉛不足という共通点で結ばれている可能性があります」

「歯周病の最も基本的な対策は、きちんと歯磨きをすることですが、高齢者にお口のお手入れ(口腔=こうくう=ケア)を実施したところ、インフルにかかる割合が約10分の1に減少したとの報告は注目に値します。

この結果の一つの要因は、歯周病菌が分泌するプロテアーゼという酵素です。この酵素は私たちの細胞のタンパク質を分解し、歯周病を悪化させます。プロテアーゼが豊富な状態では、口腔や呼吸器粘膜のタンパク質も分解されて防御機能が低下し、感染予防の意味から望ましくありません」

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「頭がいい人の読書術」(すばる舎)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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