「何となく不安…」を解決する新ジェネリック「AG」とは
先発医薬品と成分がほとんど変わらず、価格も安いことから、普及が進むジェネリック。しかし、「何となく不安」と感じる高齢者や富裕層も少なくないようです。最近登場した新ジェネリック「AG」はこうした流れを変えるでしょうか。
ファイナンシャルプランナー(FP)として「家計の見直し」をする際に、お薬代の話題になることがあります。特に高血圧をはじめとする慢性疾患などで常に薬を服用している方にとっては、薬代も「毎月の固定費」であり、安く抑えられれば喜ばしいことです。
その手軽な方法は「ジェネリック(後発医薬品)」への切り替えですが、ジェネリックに抵抗を持っている方は少なくない印象があります。しかも高齢者や富裕層の中に「何となく不安」という感想をお持ちの方が多いようです。
医師の処方により薬局で購入する薬は自己負担3割で、高齢者にいたっては1割か2割。そのためジェネリックの割安感が薄れ、「毎月数百円程度の差であれば本物(先発医薬品)を」と思うのかもしれません。また、知人の薬局経営者に聞いても、「ジェネリック=コピー品」というイメージは根強いようで、ブランド志向の強い日本人は「本物が良い」と考える傾向があるようです。
ジェネリックは、FPが提案する「コスト削減案」の中で、いまいち反応が悪い話題なのです。
ジェネリックへの置き換えは「3分の2」
実際のところ、ジェネリックはどの程度浸透しているのでしょうか。
厚生労働省の資料によると、2015年9月の段階で56.2%。政府はこれを2017年6月までに70%、2020年までに80%へと高める目標を掲げています。病院や調剤薬局がジェネリックの利用を推進した場合は保険点数を上乗せする、などの施策が一定の成果を上げており、「2017年に70%」はほぼ達成できる見通しです。
つまり現時点で、全体の3分の2程度はジェネリックに置き換わっていることになります。しかし残りの3分の1がジェネリックに置き換わらない理由は、前述のような、患者側の「ネガティブなイメージ」のほか、医師が処方しないという背景もあります。
現行のルールでは、医師が処方せんの「変更不可欄」にチェックを入れた場合、ジェネリックへの変更はできないことになっています。そして、この欄にチェックを入れる「ジェネリック嫌い」の医師が一定数いるのです。その理由は、先発医薬品とジェネリックの「成分の差」です。
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