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「何となく不安…」を解決する新ジェネリック「AG」とは

先発とジェネリックの成分は同じでない

 一般的に、先発医薬品とジェネリックの成分は全く同じだと思われていますが、実際は少し異なります。ジェネリックは「特許切れの薬」と定義されていますが、実は、薬には複数の特許があり、メジャーなところでは下記の2つが挙げられます。

・薬の主成分である「物質特許」

・添加物や薬のコーティング、形状などの「製剤特許」

 よく言及される、ジェネリックが使用している「特許切れの成分」は物質特許のことで、添加物や形状などは先発医薬品と違うのです。添加物や形状が変わることで、副作用や効果の表れ方も多少なりとも変化するため、そこに不安を覚える医師がいるのです。

 こういう書き方をすると、あたかもジェネリックが劣っている印象を受けるかもしれませんが、当然、厚労省の厳格なルールに適合しているものであり、何か明確な問題があるわけではありません。むしろ、「飲みやすい小粒」「口の中で溶けるタイプ」などに変更されている場合もあるため、それらはジェネリックのメリットと言えるでしょう。しかし、現場の医師の中には「全く同じではないので、念のため避ける」というスタンスの方がいらっしゃるのです。

驚異的な売り上げを見せる「モンテルカスト」

 しかし、ここに来てその流れが大きく変わろうとしています。それが新ジェネリックとも言えるAG(オーソライズドジェネリック)です。これは後発医薬品メーカーが先発医薬品メーカーに「特許料」を支払うことで、成分が全く同じになったジェネリックを指します。

 AGであれば、医師も安心して処方することができ、「何となく不安」という患者側の感情も解決できるかもしれません。事実、昨年販売されたAGのぜんそく薬「モンテルカスト」は先発医薬品のほぼ半額という安さもあり、わずか4カ月で53億円を売り上げました。これも「成分が同じ」であることから、医師が安心して処方した結果なのでしょう。

 増大する医療費の抑制は日本の喫緊の課題。その中には当然、薬の費用も含まれます。その解決に向けてジェネリックへの切り替えは重要なテーマですが、大切な「体」に関すること。「何となく不安」という感情面も無視することはできません。AGの普及が、日本の財政と患者の不安を解決する“切り札”となることを期待します。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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