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車にマイホーム…昔の“普通の生活”を選択しない若者たち、現代ではハードルが高い?

現代日本の若者が「一昔前の普通の生活」を送ることは可能なのかをめぐって、SNS上で意見が交わされています。ファイナンシャルプランナー(FP)に聞きました。

「一昔前の普通の生活」にはいくらかかる?
「一昔前の普通の生活」にはいくらかかる?

 一昔前は“普通”だった、「家庭を持つ」「車を買う」「家を買う」という選択をしない若者が増えていることについて、親世代からは「今どきの若者は向上心がない」「夢がない」と嘆く声が聞かれています。

 SNS上では「現代日本でこんな生活できる?」「そもそもお金がないから無理」「ハードル高すぎ」「普通じゃなくぜいたく」「税金もローンも大変」など、さまざまな声が上がっていますが、実際のところはどうなのでしょうか。ファイナンシャルプランナー(FP)の名方朋世さんが解説します。

1カ月の生活費は約47万円

 夫は会社員、妻は専業主婦、子どもは2人、持ち家、車1台。これを「一昔前の普通の生活」のモデルケースとした場合、実現するために必要な世帯年収はどれくらいでしょうか。子どもの年齢によって教育費は大きく変わりますが、子ども2人が公立小学校に通っていると想定した場合、一般的な目安として、1カ月の生活費は約47万円必要になります。

 内訳と目安額は以下の通りです。

【1カ月の生活費】

住宅ローン…15万円(管理費含む)
水道・光熱費…2.5万円
食費…6万円(1日0.2万円)
外食…1万円(月2回)
携帯電話…2万円(夫・妻)
インターネット…0.5万円
教育費(※)…5.2万円(習い事など)
子ども服など…0.6万円
雑費(トイレットペーパーなど)…1万円
NHK…0.35万円
新聞…0.45万円
保険料…5万円
自動車関連(保険、ガソリン代など)…1万円
お小遣い…4.2万円(夫4万円、子ども各0.1万円)
レジャー費…1万円
その他(妻の美容代など)…1万円

(※)参考:公立幼稚園約1.9万円、私立幼稚園約4.5万円、公立小約2.6万円、私立小約11.6万円、公立中約4万円、私立中約10.3万円、公立高4.3万円、私立高約8.2万、国立大約6万円、私立大約12万円。あくまで参考値。行かせたい大学によって通わせる塾代が増えたり、留学などを検討したりすると資金は加算される。

年収700万だと貯金は難しい

 上記のような生活を維持するためには、夫の年収が最低700万円(額面)必要です。さらに、老後資金、教育資金、冠婚葬祭、入院などに備える緊急予備資金など、将来に備えて貯金をしておきたいと考える場合、必然的にそれ以上の年収が必要ということになります。

【貯金できる家庭の年収例】

・夫の年収は約830万円(額面)
・貯金:ボーナスの手取りから100万円

 実際は、小学校中学年ごろから塾に通い始める子どもが出始め、貯金をすることが難しくなる家庭が多いです。一方で、ご主人の年収が上がっていくケースもあり、貯金をする余裕を持てる家庭もあります。家庭によって歩みたい人生プランが異なるので、それぞれに合ったライフプランを考える必要があります。

「何とかなる」は危険

 20~30代の人の親世代(50~60代)が働き盛りの頃と比較すると、現代の平均月収の方が高いため、「同じ生活」は、実はやろうと思えばできるのです。

 しかし、現代は、趣味の多様性や自己成長、晩婚化によって「自分自身に費用を使う期間と機会」が多くなり、出費が増えています。子どもの教育も多様性を帯びているため、1人あたりの教育資金は増加傾向にあります。

 また、昨今は、雇用の多様化が進み、終身雇用の概念が崩れつつあります。転職や、契約・派遣社員などの自由な雇用形態を選ぶことができる上、社会人になってから海外留学する人も増えています。厚生年金(国民年金)を支払わない空白の時間などが生まれ、満額の年金を受け取れない人も出てくるはずです。

 日々、ライフプランの相談に乗っていて感じるのは、「何とかなる」と楽観視されている方が多いことです。今は何とかなっても、将来に備えてしっかりと準備をしておかないと大変なことになる、という危機感を持ってほしいと思います。自分一人で考えるのは難しいので、信頼できる保険担当者などに相談してください。

(文/構成・ライフスタイルチーム)

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