夫がモンスターと化した34歳主婦、精神を追い詰められ「離婚」を断念するまで
「1000万円で離婚してやる」
千秋さんは、家を出る前にも夫に離婚を突きつけたのですが、それが事件に発展したのです。千秋さんは、どこで息継ぎをしているのか分からないほどの猛スピードで話を続けます。
「次の日のことですが、旦那が突然、行方不明に。私が目を離した隙に家を飛び出して、夜中の12時を回っても帰ってこないんです。こんなアホのために電話したり、LINEしたり、留守電を入れたり、ホントいい迷惑ですよ!」
確かに、その日の夫は何か変だったそう。昨日、あれだけキレまくっていたのに、一転して貝のように黙りこんでしまい、千秋さんが何を聞いても黙ったまま無視するばかり。結局、家出から3日後、夫の母親から千秋さんに電話がかかってきたそうです。「息子も反省しているみたいだから、家に入れてあげて」と。
夫の現実逃避癖について、千秋さんは語気を強めて振り返ります。「はあ? ホントばかばかしいですよ。まるで私が追い出したみたいじゃないですか。勝手に出て行ったのに、ママに尻拭いをさせるなんて! もう『いい大人』なのに」
さて、話は戻りますが、貸し会議室ですっぽかしを食らった千秋さんですが、最終的にどうなったのでしょうか。
「もうこのままじゃ、私は頭がおかしくなりそう。旦那は完全に愉快犯です。私をわざと困らせて、ニタニタと喜んでいるのが見え見え!」
千秋さんいわく、夫は約束通りに現れなかったことを棚に上げて「1000万円くれたら、離婚してやる」と言い出したそうです。どこから1000万円という桁違いの数字が出てくるのでしょうか。千秋さんが「そんなのおかしいでしょ!」と食ってかかっても、夫はどこ吹く風で「払えないなら、何も話さない」と開き直る始末。
千秋さんは「こんな頭のおかしい奴と別れるなんて、はじめから無理だったんですね」と言い、夫と離婚することを断念せざるを得なかったのです。言葉や態度を駆使し、人を苦しめ、心を傷つけ、気持ちを不安定にさせる。それがモンスターたるゆえんですが、もしかすると直接、殴られたり、蹴られたりするよりもダメージは大きいかもしれません。千秋さんはこれ以上、離婚の話を続けるのは精神的に無理でした。
これは、テレビゲーム「ドラゴンクエスト」の世界と同じです。最初のうち、主人公は武器もなく、盾も持たず、魔法も覚えていない「レベル1」の状態です。倒すことができるのは最弱のスライムくらい。もし、最強のボストロールが登場したら全く歯が立たず、ケチョンケチョンにされるでしょう。
千秋さんは過去に離婚歴がない初心者。そして、離婚の修羅場も初体験。前もって作戦会議(離婚の本を読む、専門家に相談する、自分の考えをまとめる…)をする余裕はありませんでした。最初のうち、夫はスライムだったかもしれませんが、モンスター化すればボストロールです。レベル1の千秋さんがかなうはずもありません。


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