夫がモンスターと化した34歳主婦、精神を追い詰められ「離婚」を断念するまで
離婚を目指した話し合いの中で、相手が突然豹変する「モンスター化」。夫がモンスター化して離婚を断念せざるを得なかった女性のケースを紹介します。

「大人気映画に出演の○○が離婚の危機!」
そうやって大々的に報じられるのは最初だけ。数年もの長きにわたり、何十回も協議を重ねてようやく話がまとまっても、「離婚成立!」の報はひっそりとしたもの。だから、私たちは「離婚の危機!」という第1報の時点で「離婚した」と勘違いするのです。そして、離婚成立の記事が出たら「まだ離婚してなかったの?!」と言うのは毎度のこと。
「もう離婚しかない!」
そんなふうに覚悟を決めたら、一分一秒でも早く離婚の同意を得て、離婚の条件を詰め、離婚届の空欄に書かせたいところ。初動をしくじると悲惨な展開を辿りますが、これは芸能人でも一般人でも同じことです。なぜでしょうか。
いかんせん、二人は新婚ではなく離婚直前の夫婦。「夫婦げんかは犬も食わない」というほど醜い罵詈(ばり)雑言が飛び交うのですが、離婚協議はなおさらです。お互い嫌悪感にさいなまれ、不信感の塊で相手の存在は苦痛以外の何者でもありません。
どちらも最初のうちは「離婚の話をまとめること」を目指していたはずです。しかし、離婚を切り出した方も切り出された方も多大なストレスがかかり、話し合いが長引けば長引くほどストレスは積み重なっていきます。なぜなら、離婚はすでに決定的なのに、まだ籍が入ったままという中途半端な状態を強いられるのだから。
そして、相手への憎しみが限界値に達するとどうなるでしょうか。突然、相手を困らせよう、傷つけよう、困らせようとし始めるのです。例えば、一度交わした約束をほごにしたり、一度は決めた予定をすっぽかしたり、一度は認めた責任を失念したり…こんな身勝手な態度を繰り返したら離婚は遠のくはずなのに「憎きあいつをやっつけたい!」という気持ちを抑えられない場合です。
このように相手が突然豹変(ひょうへん)し、別の人格が顔を出すことを「モンスター化」といいます。話し合いが長期化すればするほど、相手がモンスター化するリスクは高まります。
こうして、前向きで建設的な協議から後ろ向きで批判的な復讐(ふくしゅう)へと歯車が狂い始めます。そして泥沼化の様相を呈し、先が見えなくなるのですが、モンスター化した夫に悩まされている今回の相談者・大室千秋さんの失敗例を元に解説しましょう。
<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:大室圭太(36歳)→会社員(年収450万円)
妻:大室千秋(34歳)→専業主婦 ※今回の相談者
娘:大室愛奈(4歳)→幼稚園生
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