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自分の遺体を医学のために――「献体」で官学連携、その意義と課題とは

横須賀市と神奈川歯科大学が、研究などのために自分の遺体を提供する「献体」で連携。耳慣れない言葉ですが昨今、「人生の最期に人の役に立ちたい」と考える人が増えているそうですよ。

遺体を医学研究などに供する「献体」が増えている

 神奈川県横須賀市と神奈川歯科大学が先日、医学などの研究・教育のために自身の遺体を提供する「献体」について連携することを発表しました。横須賀市によると、自治体と大学が献体で連携するのは全国初。

 耳慣れない「献体」という言葉ですが昨今、「最期に人の役に立ちたい」「医学の進歩に貢献したい」などの理由から、希望する高齢者が全国的に増えているそうです。

 オトナンサー編集部では今回、この全国初の取り組みについて市と大学に取材、そして、緩和ケアが専門の永寿総合病院医師、廣橋猛さんにその意義を聞きました。

市の「エンディングプラン・サポート事業」を利用

 神奈川歯科大によると、献体には、事前に掛かりつけの病院などが設置している組織への登録が必要ですが、これまで、身寄りのない高齢者は登録ができませんでした。

 一方、横須賀市は2015年度から、身寄りがなく、収入や資産の少ない高齢者を対象に、生前の意思に基づいて葬儀などを手配する「エンディングプラン・サポート事業」を実施していました。

 今回の連携によって、大学側は、献体を希望する身寄りのない高齢者に同事業を紹介、事業登録後は、市職員が定期的に高齢者を訪問することで、連絡が取れなくなってしまう事態を防ぎます。

 市に事業登録の相談に来た高齢者は自分の意思で、「どの寺に入りたいか」などを希望するだけでなく、「献体」を選択肢に入れることができる、というものです。

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廣橋猛(ひろはし・たけし)

医師(緩和ケア医・内科医)

東京都港区出身。私立麻布高校、東海大学医学部卒。東京大学医学部付属病院、三井記念病院における内科研修、亀田総合病院における緩和ケア・在宅医療研修を経て、現在は永寿総合病院にがん診療支援・緩和ケアセンター長として勤務。その傍ら、近隣の在宅療養支援診療所から、在宅で過ごしたい患者を往診している。病院でも在宅でも切れ目なく診療する“二刀流スタイル”で、これまで2000人以上の患者の看取りに関わった経験を踏まえ、終末期患者が希望する場所で過ごせる社会作りについて情報発信している。日本内科学会認定内科医、日本プライマリケア連合学会認定医、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修指導医、日本緩和医療学会会員、日本在宅医学会会員。