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ファミレス初の「セルフレジ」は業界に何をもたらすのか すかいらーくGが試験導入

すかいらーくグループが「セルフレジシステム」を導入することが明らかになりました。24時間営業の見直しなど“構造改革”が進むファミレス業界ですが、業界初のセルフレジはその救世主となるのでしょうか。

業界初の「セルフレジシステム」が持つインパクトとは…

 24時間営業の見直しなど、外食業界で作業効率の向上が叫ばれる昨今、外食大手のすかいらーくグループが「セルフレジシステム」の導入に踏み切ることが昨年末、一部メディアの報道で明らかになりました。ファミリーレストランとしては初めての試みといいます。業界と消費者全体を巻き込んだ、大きな動きになりそうです。

 報道によると、同グループではすでに都内の「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」で実験的に運用を開始しており、今後は結果を見ながら、ほかの店舗への拡大を検討するといいます。このシステムは、伝票をセルフレジに読み取らせて料金を支払うもので現在、クレジットカードと電子マネーに対応し、現金は使えません。

 そのインパクトはどのようなものでしょうか。

人件費節約や支払い時間短縮のメリット

 人件費の節約や支払い時間の短縮によって、顧客満足度の向上など数多くのメリットが期待できる半面、「消費者自らが支払いを行うため、接客の質を求める消費者は物足りなさを感じるようにもなる」。外食市場の動向に詳しい、市場調査会社エヌピーディー・ジャパンの東さやかシニアアナリストは話します。また、今後の課題は「実際にどれだけの利用客や効率化を望めるか」といいます。

 価格やスピードを求める消費者にとっては、より良いサービスとなる一方、既存の現金利用者への影響は少ないため、「特段大きな変化が起こるとは思えないが、支払いの選択肢が増えることは、消費者にとって良いインパクトになる」とのことです。

 なお同社の調査データによると、ファミリーレストランの「接客に対する満足度」は2015年から2016年にかけて、54.9%から51.8%へと減少、ファストフードとセルフカフェでの同値(2015年=51.9%、2016年=49%)に近づいていることから、「消費者のファミレスへの満足度はすでに、ファストフードのレベルに落ち込んでいる」と、その現状を指摘しています。

 すかいらーく広報部によると、今後は店舗マネジャーがセルフレジ利用者への積極的なヒアリングを行い、得られた声をその都度、本部に届けます。3~6カ月をかけて、導入の効果検証を行い、他店舗への拡大を検討するといいます。「正午~午後1時のランチタイムに、消費者に与えていた会計の待ち時間のストレスを解消できるため、満足度向上につながるほか、レジ対応の従業員にも空き時間が増えることで料理提供のスピードアップが見込まれます」(担当者)。

 なお、交通系ICカードの利用も検討中とのことです。

(オトナンサー編集部)

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東さやか(あずま・さやか)

エヌピーディー・ジャパン株式会社フードサービスシニアアナリスト

慶應義塾大学法学部卒。2003年7月エヌピーディー・ジャパンの前身「ジャパン・クレスト」入社。前職は、居酒屋「天狗」で副店長。NPDでは約9年間、外食・中食市場情報サービス「CREST」のデータプロセス・市場データ収集に関わり、すべてのOAデータを目視確認した。その後、クライアントデベロップメント部で分析・顧客開拓を担当。フードサービスシニアアナリストとしてメディアで執筆なども手掛ける。エヌピーディー・ジャパンは売り上げ世界10位の市場調査カンパニー「The NPD group」の日本法人。http://npdjapan.com/