「予防接種したら入浴禁止」は本当? お医者さんに聞いてみた
インフルエンザの季節が近づき「そろそろ予防接種を…」という人も多いことでしょう。予防接種といえば「当日は入浴できない」という、一種の“迷信”めいた言説が有名ですが、その真偽の程はどのようなものでしょうか。

今年もインフルエンザの季節が近づき、「そろそろ予防接種の予約を…」と考え始めている人も多いはずです。
ところで、インフルエンザに限らず、「予防接種を受けた当日はお風呂に入れない」という固定観念を持っている人は多いのではないでしょうか。「お風呂に入れないから…」との理由で、予防接種をためらう人もいるかもしれません。
一種の“迷信”はたまた“都市伝説”のようにも思える「お風呂に入れない」ですが、オトナンサー編集部では今回、その真偽について、永寿総合病院の廣橋猛医師に話を聞きました。
銭湯利用が多かった時代の名残?
廣橋さんによると、厚生労働省が発表している「予防接種ガイドライン」は予防接種後の入浴について、「基本的に問題ない」との見解を示しているそう。
入浴しない方がよいのは、アレルギーなど副反応が生じやすい接種後1時間や、高熱が出ている時に限られるといいます。
それでは、「予防接種を受けた当日はお風呂に入れない」と広く信じられてきたのは、どんな理由からでしょうか。
廣橋さんは「それは自宅にお風呂がなく、銭湯などの公衆浴場を利用する人の割合が高かった時代の名残ではないでしょうか」と指摘します。
つまり、今よりも衛生環境が悪かった時代から、針の傷から感染するのを防ぐために、「接種当日は入浴を控えましょう」と言われてきたのが実情のようです。
ただ、現在でも傷を清潔に保つことは大切で、「汚れた手で触ったり、必要以上に揉んだりすることは厳禁」(廣橋さん)。入浴しても、傷の部分はさっと流す程度にとどめるのが無難といいます。
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