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「気胸」の原因・症状・治療法 ぜんそくと勘違いしやすく…「怖い」「気をつけよう」の声

ぜんそくに似た「気胸」の症状や原因、治療法について、医師に聞きました。

「気胸」の症状や原因とは?
「気胸」の症状や原因とは?

 SNS上で先日、「気胸」について話題となりました。気胸はぜんそくなどの症状と似ており、初期は胸の痛みも軽度であることなどから、見過ごされるケースも少なくないようです。しかし、処置が遅れると死に至る可能性があり、サッカー長友佑都選手が試合中に肺気胸で倒れ、手術を受けたというニュースも話題となったことから「怖い」「時々胸が痛むけど肺気胸だったらどうしよう」「ぜんそく持ちだから気をつけよう」などさまざまな声が上がっています。

 気胸の症状や原因、治療法について、医師の市原由美江さんに聞きました。

「自然気胸」と「続発性気胸」がある

Q.気胸(肺気胸)とは、どのような病気でしょうか。

市原さん「気胸は、肺から漏れた空気が胸腔内にたまることで肺が押しつぶされ、胸痛や呼吸困難などを引き起こす病気です。気胸は『自然気胸』と『続発性気胸(外傷性気胸、医原性気胸、月経随伴性気胸)』に分けられます。

自然気胸は肺の一部が袋状(ブラ)になっており、ここに穴が開くことで生じます。一方、続発性気胸とは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症、肺がん、気管支ぜんそくなど、元々の肺の病気に伴って生じます。

外傷性気胸は交通事故での肋骨(ろっこつ)骨折により、肺に穴が開いた時に生じます。病院での、肺に針を刺す治療で医原性気胸を引き起こすこともあります。また、月経随伴性気胸は、女性の生理前後に発症する気胸で子宮内膜症が原因とされています」

Q.気胸を引き起こしやすい人の特徴はありますか。

市原さん「自然気胸は、やせ型で特に高身長の若い男性(10〜20代)に多く、さらに喫煙や精神的・肉体的ストレスで起こりやすくなると言われています。続発性気胸は前述通り、COPDや肺線維症、肺がん、気管支ぜんそくなど肺の病気によって起こりやすくなるため、肺の持病がある人は注意が必要です」

Q.症状が似ているぜんそくとの違いや見分け方はありますか。

市原さん「気胸は肺に穴が開くため、症状が突然現れます。急な胸痛や呼吸困難の場合、血液の中の酸素濃度を確認し、低ければ気胸を考慮して検査を行っていくことになります。ぜんそくも重症であれば呼吸困難、胸痛を伴うことがありますが、『呼吸時にヒューヒューと音がする』『咳(せき)を伴うことが多い』など相違点はあります。ただし、自己判断は危険で、どちらも急を要するため早めに医療機関を受診しましょう」

Q.気胸を発症した場合の診療科と、診察を受けるべき目安を教えてください。

市原さん「専門は呼吸器外科ですが、救急科や外科でも気胸の治療を行っているところがほとんどです。救急科や外科のある、総合病院の救急外来を受診しましょう。息苦しさ、胸痛、普段と違う違和感などが少しでもあれば、医療機関を受診しましょう」

Q.気胸の治療法とは、どのようなものですか。

市原さん「軽度気胸は自然に改善することが多く、症状がなければ定期的な検査で経過観察となります。中等度以上の場合、胸に管を挿入して空気を抜いていく『胸腔ドレナージ』という治療法を行います。胸腔ドレナージでも改善しない場合や再発を繰り返す場合、左右両方の気胸であれば手術をし、肺の穴をふさいだり、ブラを取り除いたりします」

Q.気胸は再発しますか。また、予防する方法は。

市原さん「再発予防のための手術を行わない場合、再発率は50%と高いです。再発予防を目的に原因となるブラを切除する手術が行われています。気胸は喫煙との関連があるため、禁煙も必要です」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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