オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

積水ハウス、男性社員「育休取得」義務化2カ月 制度は機能している? 利用者の声を聞く

仕事任せた後輩が自立し、成長

娘と一緒に登壇した大村孝史総務長
娘と一緒に登壇した大村孝史総務長

 続いて、開発事業部で賃貸マンションを手掛ける高木陽一課長(41)が育休体験を語りました。10月6日~14日の9日間を取得済みで、11月から12月にかけ、計15日間取得する予定です。子どもは小1の長男(6)と、12月で3歳になる長女の2人です。

 高木さん「妻は食品会社に勤務していて、夕方帰宅してから子どもを寝かしつけるまで、とても忙しい状態でした。妻の負担を少しでも軽くできれば、という思いと、忙しさを私が実感することで、少しでも今後の協力体制を変えることができるのではないかという思いから、育休を取りました」

 育休以前も家事は手伝っていたという高木さんでしたが、終日、家事を担当するのは勝手が違ったようです。

高木さん「保育園は育休中でも午前9時から午後4時まで利用可能だったため、子どもを保育園に預けて食器洗いや掃除、洗濯、買い物などをしました。朝食と夕食も私が作りました。子どもが帰宅して、夕飯の支度を終えるまでの時間帯が非常に忙しいと気付きました。

時間と闘いながら必死に家事をして、息子には宿題をやらせ、娘にはDVDを見せていました。兄妹げんかが始まることもありましたし、娘が中耳炎になって耳鼻科に連れて行ったこともありました」

 妻の苦労の一端が分かったことで、「家事」の見方も変わりました。

高木さん「家事は手伝ってきたつもりでしたが、食器洗いや風呂洗いなど『単純な作業』をやっていただけだと気付きました。子どもの好き嫌いや栄養バランスを考えて献立を考えるとか、学校で配布されたプリントに目を通して息子の持ち物に気を使うとか、そういった『考える作業』は、妻が担当していました。

考えることは神経を使うし、疲れます。妻に感謝するとともに、少しでも早く帰宅するよう心掛けるようになりました」

 仕事の面でも、プラス効果があったそうです。

高木さん「賃貸マンションを建設しようという現場があり、育休前から近隣住民への対応を後輩社員と担当していました。私の育休中、後輩が多方面と折衝をしているメールを自宅で確認し、後輩の成長を感じることができました。彼の自立と成長を促せたのではないかと思います」

 最後に登壇した、埼玉南シャーメゾン支店の大村孝史総務長(38)は、これから育休を取得する予定です。期間は11月10日~25日の16日間と、11月29日~12月9日の11日間です。現在の制度導入以前に4日間の育休を取得していたため、計27日間で申請しました。

大村さん「私の不在時に業務がうまく回るか不安で、総務課内で数回話し合いの場を持ちました。業務をリストアップして無駄な作業を省き、業務の再分配をしました。ただ、不安に思っているのは私一人で、同僚からは『何とかなりますよ』と励まされています」

1 2 3 4

コメント