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西日本豪雨のボランティアへ、岡山・総社市長が“直筆”メッセージ 「すごい」「恐縮」と反響

西日本豪雨で被災した岡山県総社市が、ボランティアなど支援者に礼状を送ったことが話題となっています。

支援者に総社市が送っている礼状(同市提供)
支援者に総社市が送っている礼状(同市提供)

 西日本豪雨で被災した岡山県総社市が、ボランティア参加者や寄付金の贈り主などに対し、市長“直筆”の礼状を送ったことが、話題となっています。片岡聡一市長自筆のメッセージのコピーに、直筆で「本当にありがとうございました」と一言添えてあり、SNS上では「礼状もらったのは初めて」「これ全員に送ってるのかな? すごい」「たった2日しか行ってないのに恐縮です」などの声が上がっています。片岡市長に聞きました。

手書きの温もりが大事

礼状を送ることを決めた片岡聡一市長(総社市ホームページより)
礼状を送ることを決めた片岡聡一市長(総社市ホームページより)

 総社市は人口約6万9000人。岡山県南部にあり、7月の西日本豪雨で最大の被害があった倉敷市真備町地区に隣接しています。豪雨では4人が亡くなりました。

 SNSに投稿された礼状は、ボランティア参加者、寄付金や支援物資の贈り主など、支援の種類ごとに文面が違います。例えば、ボランティア宛てには「猛暑と戦いながら、ひたむきに市民を助けて下さった事、このご恩は絶対に忘れません。総社市民を代表し『ありがとうございます』と心より申し上げます」などとあります。

 本文はコピーか印刷のようですが、末尾には「本当にありがとうございました」と直筆で添えられており、封筒の裏にも市長の署名があります。

 片岡市長に話を聞きました。

Q.礼状はいつから出しているのですか。

片岡市長「7月終わりごろからです。最初は私が直筆で書いて出していました。しかし、全部直筆では限界があります。8月ごろから名簿を用意して、9月21日から、私の直筆文をコピーした礼状を出し始めました」

Q.どのような人が対象ですか。

片岡市長「ボランティアに来て体を動かしてくれた人や、支援物資を持ってきてくれた人、寄付金を送ってくれた人、総社市以外から手伝いに来てくれた他市の職員や消防職員です。ボランティアは一日でも来てくださった人には送っています。寄付金の場合も金額にかかわらず、全員に送っています」

Q.何通くらいでしょうか。

片岡市長「10月24日時点で1万6274通です」

Q.礼状を出した経緯を教えてください。

片岡市長「お世話になりました、という気持ちを早く伝えたいと思いました。職員からは『被災者支援を優先すべきだ』という反対の声もありましたが、復興のさなかでも、気持ちを早く伝えることが大事だと思い、やろうと決めました」

Q.寄付金の贈り主とボランティアでは文面が違うようです。何パターンあるのでしょうか。

片岡市長「4パターンあります。それぞれに合わせた文面にしています」

Q.過去の災害でも出したことはありますか。

片岡市長「災害では初めてです。個人的に、お世話になった人に礼状を出すことは日常的にしていますが」

Q.末尾の一言が直筆のようですが、すべての礼状に入っているのでしょうか。また、どなたが書いているのですか。

片岡市長「手書きの温もり、温かみが大事だと思いますので、すべての礼状に直筆で一言添えています。礼状そのものと同じく、最初は私が書いていましたが、間に合わなくなって、職員にも書いてもらっています」

Q.郵送、コピーなどの費用はいくらかかりましたか。

片岡市長「封筒などが19万1872円、郵送料が133万4468円です。市の予算から出しました」

Q.西日本豪雨での、人的被害以外の被害概要と復旧・復興状況を教えてください。

片岡市長「全壊82棟、大規模半壊168棟、半壊354棟、一部損壊515棟です。仮設住宅の建設は終わり、入居してもらえました。みなし仮設に移り住んだ人も把握できています。これからは、復興に向けた土木工事を進めます」

Q.今後、必要な支援など呼びかけがあれば、お願いします。

片岡市長「物資はだいたい足りていますが、仮設住宅やみなし仮設に住んでいる人たち、被災しながら自宅で住んでいる人に語らいの場や機会を提供してもらえればと思っています。ニュースになる機会は減ってきましたが、被災者は傷ついていますし、孤立しがちでもあります。引き続き、心にかけていただければと思います」

 総社市では、ボランティアの受け付けは稲刈り支援を除いて終了しましたが、災害支援金は現在も受け付けています。ふるさと納税での支援も可能です。総社市ホームページ(http://www.city.soja.okayama.jp/kikikanri/sigaisiennkin_uketuke.html)。

(報道チーム)

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