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岐阜の酒蔵が造る「無修正の酒」が話題に ウケ狙い? ラベルの目隠し男性は? 担当者に聞く

岐阜県の酒蔵が製造している日本酒がSNS上で話題となっています。「無修正の酒」という名前はウケ狙い? それとも…?

720ミリリットルサイズの「蓬莱 無修正の酒」(渡辺酒造店提供)
720ミリリットルサイズの「蓬莱 無修正の酒」(渡辺酒造店提供)

 岐阜県の酒蔵が製造している日本酒がSNS上で話題となっています。ラベルに「無修正の酒」と赤い文字で大きく書いてある上、目元を隠して「修正」した男性の姿が写っているためです。SNS上では「名前に引かれた」「このラベルはずるい(笑)」「写真に修正が入っていて笑える」「試しに買ってみたが、おいしかった」などの声が上がっています。メーカーの担当者に話を聞きました。

戦時中の取り組みに由来

 この日本酒の正式名は「蓬莱(ほうらい) 無修正の酒」です。1732年創業の渡辺酒造店(岐阜県飛騨市)が2017年8月に発売しました。搾りたての純米酒を6カ月間、貯蔵庫で熟成させてコメのうまみを凝縮しており、口に含んだ際に、コクと濃醇(のうじゅん)な味わいが口中に広がるのが特徴です。国内外の50種類以上のコンクールで賞を受けています。希望小売価格は、720ミリリットル1200円(税別)、1800ミリリットル2300円(同)。

 渡辺酒造店で広報を担当する大田穣(みのり)さんに話を聞きました。

Q.「無修正の酒」を開発した狙いは。

大田さん「私どもの蔵が戦時中もこだわりの酒を造っていたという事実から、当時の酒を復活させようと考えました。1937年の日中戦争以降、国内は極端な物資不足に陥り、各酒蔵は生産量減少を余儀なくされました。そのため、酒蔵が酒を水で薄めて酒販店に卸したり、それを酒販店がさらに薄めて販売するといった悪習が横行するようになりました。

そうした状況下でも、当時の7代目社長は酒を薄めることなく出荷し続け、『本物のうまい原酒を出す』とお客さまに喜ばれ、重宝されたという逸話が語り継がれています」

Q.「無修正の酒」という商品名も戦時中の取り組みからですか。

大田さん「そうです。『たとえ戦乱で世が乱れようとも、決してうそ偽りのない真っすぐな酒造りをすべし』という家訓を守り続ける蓬莱の魂を宿した、創業原点の純米酒として製造しました」

Q.ラベルは派手な印象ですが、どなたが考案したのでしょうか。

大田さん「当社の現社長である渡邉久憲が考案しました。特に派手にしたつもりはありませんが、『無修正の酒』という文字は目立つように記しました。お客さまがご覧になった際に『何これ!?』という感じで足を止めてもらう狙いです」

Q.ラベルに写っている人物はどなたですか。

大田さん「当社の渡邉です。渡邉の顔に目隠しを入れたのは先ほども申し上げた通り、お客さまにまず商品を見てもらうためです」

Q.目隠しするくらいなら、顔写真は入れなくてもよいのでは。

大田さん「あえて、顔の『修正』写真を入れて、『お酒は無修正』を強調するためでもあります」

Q.「無修正の酒」はどのような料理に合いますか。

大田さん「焼き魚やお刺し身に合います」

Q.発売後の売れ行きは。

大田さん「約1年で1800ミリリットルは5000本、720ミリリットルは1万2000本を売り上げました。新商品としては大変好調な売れ行きです」

Q.お客さんからどのような声が寄せられていますか。

大田さん「『(商品の)インパクトがすごいですね』『(ラベルは)そういう意味の無修正ですね』『深みがあって飲みごたえがある』『オンザロックにしてもよい』といった意見を頂いています」

Q.会社のサイトには「隠し事は一切ありません」といった文言とともに、赤いふんどし姿の人が写っているページがありますが。

大田さん「戦時中も正直な酒造りを続けた蔵として、『隠しません』という意味を体現するため、当社の蔵人がふんどし姿になりました」

Q.「無修正の酒」を海外向けに販売する予定はありますか。

大田さん「すでに一部の国に輸出しております。タイ向けに720ミリリットルの方を120本出荷しています」

 ラベルだけを見ると思わず笑ってしまいそうですが、実は、酒造りへの真面目で熱い思いが込められていました。「無修正の酒」は全国の小売店のほか、渡辺酒造店の直営店や公式通販サイトで販売しています。

(報道チーム)

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