夏にぴったり! 日本酒の“おいしい飲み方”描いたイラストに「試したい!」の声、作者に聞く
酒蔵で働く「蔵人」がイラストで、夏の日本酒のおいしい飲み方を教えてくれます。

夏にぴったりの、日本酒の飲み方をまとめたイラストが話題になっています。SNS上では「これは試したい!」「日本酒は冷酒でしか飲んでなかったけど、こういう飲み方も面白そう」などの声が寄せられています。ツイッターのイラストの投稿は、リツイートが6万2000、「いいね」が14万を超えました。日本酒に詳しいという作者に聞きました。
日本酒を飲みたい人、夏は5分の1に
日本酒の飲み方をまとめたイラストを描いたのは、ツイッターアカウント名「お文具(おぶんぐ)」さん。イラストが趣味で、普段は関西の酒蔵で、杜氏(とじ)のもとで酒造りに携わる職人「蔵人」兼販売員として働いています。「夏も日本酒を手軽に楽しんで飲んでほしい」との思いから6月末、日本酒のおいしい飲み方をイラストに描き、投稿しました。
イラストは、お酒とその他の食材との配合比率を詳しく紹介しているのが特徴。例えば、日本酒をベースにした「なでしこ」というカクテルは、「清酒45ml+グレナデンシロップ小さじ2+レモンジュース小さじ3+ガムシロップ小さじ1+卵白3分の1」を混ぜるとうまくできるとイラストで描いています。
夏に楽しめる日本酒の飲み方を紹介した理由を聞きました。
Q.夏の日本酒の飲み方をイラストで紹介した理由は。
お文具さん「もともとイラストを描くことが好きで、お酒やリキュールなどの比率をイラストで描けば分かりやすいと思ったからです」
Q.自ら考案した飲み方もありますか。
お文具さん「もともとカクテルとしてあった18種類を描きました。ちなみに、イラストに描いたもの以外では、自分流ですが濁り酒を凍らせてレモンソーダを入れ、シャーベットのようにして食べるのが好きです」
Q.お酒の供としてお勧めのメニューを教えてください。
お文具さん「クリームチーズとカツオの酒盗、もろみみそをあえたものが、お酒に合います。ポテトサラダに秋田名産の漬物『いぶりがっこ』を入れると、薫製(くんせい)の香りや食感が楽しめてお酒のあてにぴったりです」
Q.夏季の日本酒の消費量は、最も飲まれる冬季に比べ、どれくらい減るのですか。
お文具さん「具体的な数値は調べていないので分かりませんが、日本酒のイベントなどでも『夏に日本酒はちょっと…』というお客さまの声を多く聞きます。キリン食生活文化研究所の調査によると、各季節に飲みたい酒類を聞くと、日本酒が最も飲まれる冬と比較して、夏に日本酒を飲みたい人は5分の1に減るそうです」
Q.農林水産省の調査では、年間の日本酒の消費量が減っていると言われていますが、それを実感されますか。
お文具さん「私の酒蔵は生産量が増えているので、日本酒の消費量が全体的に減少しているようには感じられません。今の消費者は、吟醸酒系や純米酒系、生酒などを求める人が多くなっています。
私個人の意見ですが、日本酒に限らず、お酒が好きな人と嫌いな人の差がすごくあるように感じます。また、普段飲まない人の、日本酒を飲む機会が少なくなっているとも思います。日本酒のイベントに集まる人は日本酒好きな人ばかりなので、そういう現場は老若男女問わず活気あふれるものになっています」
Q.イラストで描いた日本酒の飲み方を、どのような人に楽しんでもらいたいですか。
お文具さん「日本酒を飲む機会が少ない人に、家で簡単に手軽に飲んでもらえる一つの機会になればと思っています。
お酒のいいところは、ご飯をよりおいしくすることはもちろん、楽しい雰囲気や出会いを醸し出す力だと思います。お酒を飲む機会が少ない人に、お酒の良さ、日本酒の良さをもっと知ってもらいたいです。そして日本酒と長い間付き合っていただければ、幸せです」
(報道チーム)
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