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「獺祭」はこう飲む! プロが教える魅力、そして人気の秘密とは

いまや全国区の絶大な人気を誇る日本酒「獺祭」。お店に行ったら、必ず注文するというファンの方も多いと思いますが、プロから見たその魅力、そして楽しみ方とはどのようなものでしょうか。

人気の日本酒「獺祭」の魅力とは(写真は実物ではありません)

 全国的な人気を誇る、旭酒造(山口県岩国市)を蔵元とする日本酒「獺祭」。読者の中にも、獺祭ファンの方が数多くいらっしゃることと思いますが、専門家から見たその魅力とは何でしょうか。

 オトナンサー編集部では、和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに話を聞きました。

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「米の磨きは日本最高峰」

 齊木さんによると、獺祭の魅力を表現した言葉として「磨きの美学」があります。米を磨き、米の芯の味を捉えようとする造り手の思いと、獺祭のおいしさの根源をうまく表した言葉です。獺祭は、米と水と米麹のみで造り、米を50%以上削った純米大吟醸。「磨き二割三分」と「磨き三割九分」が代表的な製品ですが、それぞれ、米を77%と61%削って造ります。「磨き二割三分は米の磨きでは日本最高峰です」。

 その特徴としては華やかで上品な香り、口に含んだときの甘味、飲み込んだ後の余韻の長さ、などが挙げられるそう。「これらが、獺祭のおいしさを作り上げているのです」。飲んでいるうちにお酒の温度が上がって、香りと旨さのバランスが変わってくることも、特徴の一つです。

 旭酒造は「酔うため、売るための酒ではなく、味わうための酒をもとめて」という信念のもと、革新的な取り組みを続けています。磨き二割三分の精米には当初、「7日間×24時間、都合168時間」かけたとのこと。また、純米大吟醸もろみの持つ「香り」「ふくらみ」を表現するために、業界初の遠心分離システムを導入しています。こうした取り組みが獺祭のおいしさを支えているそうです。

 齊木さんは「米を磨くことで洗練さを上げ、それでいて個性を失わない。信念を持って、酒造りの革新に取り組む造り手。これこそ、獺祭の人気の秘密ではないでしょうか」と話します。

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齊木由香(さいき・ゆか)

日本礼法教授、和文化研究家、着付師

旧酒蔵家出身で、幼少期から「新年のあいさつ」などの年間行事で和装を着用し、着物に親しむ。大妻女子大学で着物を生地から製作するなど、日本文化における衣食住について研究。2002年に芸能プロダクションによる約4000人のオーディションを勝ち抜き、テレビドラマやCM、映画などに多数出演。ドラマで和装を着用した経験を生かし“魅せる着物”を提案する。保有資格は「民族衣装文化普及協会認定着物着付師範」「日本礼法教授」「食生活アドバイザー」「秘書検定1級」「英語検定2級」など。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yukasaiki)。

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