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【猛暑】暑さに「弱い人」と「強い人」って何がどう違うの? 内科医に聞いてみたら“明確な要因”があった

誰にとっても厳しいといえる暑さが続いていますが、中には「暑さに弱い人」と「暑さに比較的強い人」が存在します。この両者、何がどう違うのでしょうか。

暑さに弱いor強い…あなたは?
暑さに弱いor強い…あなたは?

 連日、猛暑日が続いている今年の夏。誰にとっても厳しいといえる暑さですが、中には「暑さに弱くて…」「寒さより暑さの方が苦手」という人もいれば、「暑いのはわりと平気」「暑さには比較的強い方だと思う」という人もいます。もしかしたら、あなたにも心当たりがあるかもしれません。

 このような「暑さに弱い人」と「暑さに強い人」は、何がどう違うのか……そんな疑問について、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんが解説します。

男性の方が暑さに弱い傾向

 近年の夏の暑さは厳しいものがあります。とりわけ、「暑さに弱い」と自覚している人にとっては、暑さの影響で不調を感じやすくなることもあるかもしれません。

 暑さに弱い人と強い人の差は、実際に「ある」といえると思います。遺伝的な要素もありますが、基本的には筋肉や体脂肪、皮膚上の汗を分泌する「汗腺」が多いか、少ないかが、暑さに弱い人と強い人の差になると考えられます。そのため、暑さに弱いか強いかは、周囲の環境によって変わる可能性があるといえるでしょう。

 例えば、暑い地方に住んでいる人は、熱を生み出しにくくするために基礎代謝が低かったり、汗をかいて熱を放出するための汗腺が多かったりと、その地域に体が適応しています。つまり、暑い環境に不慣れな人でも、徐々に慣れると考えられます。

 性別では、男性の方が女性よりも暑さに弱い傾向があります。男性の方が、筋肉量が多く、基礎代謝が上がって体温も上がりやすいからです。また男女とも、体脂肪が多いと、熱を体外に放出しにくいため暑さを感じやすいことから、肥満傾向のある人は暑さに弱いといえます。

 年代別では、高齢者は体温調節機能が低下し、汗をかきにくくなって熱の放出が少ないため、暑さに弱くなります。

 ところで、「水を小まめに飲む人は暑さに負けず、逆に水をまとめて飲む人は暑さに負けやすい」といった話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これは事実ではありません。

 小まめに水分補給をしている人について、「熱中症になりにくい=暑さに強い」というイメージを持つ人がいるのかもしれませんが、暑さへの強さには関係ありません。ただ、暑さに強いかは別として、小まめに水を飲む人が暑さによる熱中症になりにくいのは事実です。

大切なのは「汗をかく」こと

 暑さに弱い人が、暑さに強くなるためにできることはいくつかあります。

 まず、肥満傾向の人は内臓脂肪を減らしましょう。先述の通り、体脂肪が多いと暑さを感じやすくなってしまうためです。

 そして、大切なのは「汗をかく」ことです。人間の体温は、汗が皮膚から蒸発するときに熱が奪われることで調整されています。汗腺の機能が発達していれば、効率よく汗をかいて体温調整がうまくできることになります。「汗腺を鍛える」と表現されることもありますが、暑さに弱いという自覚がある人は、適度な有酸素運動や半身浴で、適度に汗をかくことを意識してみてください。

 ただし、適度な運動とはいえ、この猛暑の中です。運動をする際には熱中症に十分注意する必要がありますが、冷房などで過度に体を冷やさないように注意しながら、汗をかくことで汗腺の機能を保ち、暑い夏を乗り切りましょう。そして、「自分は暑さに強い方だ」という自覚がある人も、水分補給や暑さ対策は欠かさずに行ってくださいね。

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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