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実は「睡眠不足」もNG! 「夏バテしやすい人」に共通する特徴&生活習慣4つ

夏になると「毎年、夏バテしてしまう」という人もいると思います。夏バテしやすい人に共通する生活習慣とはどのようなものなのか、循環器内科の専門医に聞きました。

夏バテしやすい人には「共通点」が…?
夏バテしやすい人には「共通点」が…?

 厳しい暑さが続くと、懸念されるのが「夏バテ」。「毎年、夏バテしてしまう」という人もいると思いますが、暑さにバテやすい人には、共通する特徴や生活習慣がみられるようです。「夏バテしやすい人」の共通点とは、どのようなものなのでしょうか。循環器内科専門医で、医療法人社団正恵会(東京都豊島区)理事長の藤井崇博さんに聞きました。

汗腺の機能は年齢とともに低下

Q.「夏バテしやすい人」にみられる特徴や生活習慣には、どのようなものがありますか。

藤井さん「いわゆる『夏バテ』の症状としては、『体のだるさ』『食欲がない』『胃腸の調子が悪い』『よく眠れない』『頭痛』『やる気の低下』などが挙げられ、こうした症状が出る人が多いかと思います。夏バテの原因となり得る生活習慣には、主に次の4つが考えられます」

【高温多湿な環境、屋内と屋外の温度差】

高温多湿な外の環境や、室内と室外の気温差が大きい環境で過ごすことが多いと、体温調節のため、自律神経に大きく負荷がかかってバランスが崩れます。その結果、さまざまな体調不良を招きます。自律神経の乱れは、夏バテの主な原因といえるでしょう。

また暑いとき、人間の体は汗が蒸発することで体温を下げ、調節しています。しかし、高温多湿な環境では汗の蒸発が邪魔され、体の中に熱がこもりやすくなります。そのため、体の熱っぽさや頭痛、だるさなどの症状が起こると考えられます。

【冷たい物の取り過ぎ】

暑い時期は、冷たい飲み物やアイスクリームなどをたくさん飲んだり食べたりする人も多いと思います。しかし、冷たいものを食べ過ぎて胃腸を冷やしてしまうと、胃腸の働きが低下して食欲がなくなったり、胃もたれなど胃腸の症状を招いたりすることがあります。

【水分不足】

高温多湿な環境では、過剰に汗をかくこともあるでしょう。汗を多くかくと、体内の水分や電解質が失われます。適切な水分補給ができていないと脱水症状が起こり、だるさや熱っぽさといった体調不良を招いてしまう可能性があります。

【睡眠不足】

この季節は、暑さのせいで夜中に目が覚めてしまったり、寝つきが悪くなったりして睡眠不足に陥りやすいもの。睡眠不足の人は、自律神経の不調を来しやすくなります。

Q.「夏バテしやすい人」が、夏バテをしないようにするためにはどうすればいいですか。

藤井さん「夏バテを予防するには、次の6つのポイントに注意しましょう。もし、症状が1週間以上も持続する場合や、どんどん症状が悪くなる場合、新たに症状が出現する場合などは医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください」

【温度差に注意する】

室内と室外の気温差が大きいと、自律神経に負荷がかかります。室内では過剰に冷やさないように着る物で調節したり、屋外でもなるべく涼しく過ごせるように工夫したりするなど、気温差を意識しましょう。

【高温多湿な場所で長時間過ごすことを避ける】

屋外の他、屋内であっても、じっとしていても汗が出るような環境であれば、エアコンなどを使って温度・湿度を調節するようにしてください。夏は、エアコンを25〜26度に設定し、湿度は60%以下を保つようにして、扇風機との併用がお勧めです。熱帯夜の日は、一晩中エアコンをつけておいても構いません。

【栄養バランスの取れた食事を意識する】

夏は食欲が落ちたり、炭水化物に偏った食事が多くなったりしがちです。必要な栄養素が不足する恐れがあるので、夏場はいつも以上にバランスのよい食事を意識しましょう。

特に、ビタミンB1は積極的に摂取したいところです。ビタミンB1が不足すると、疲労感を感じやすくなってしまうためです。豚肉やウナギ、大豆製品など、ビタミンB1を多く含む食材を意識的に取り入れましょう。

【電解質をしっかり取る】

汗をたくさんかくと、ナトリウムやカリウムといった電解質が不足しやすくなります。電解質には、体の機能を維持・調節するという重要な役割がありますが、体内で生成できないため、食事から摂取しなくてはいけません。電解質を多く含む野菜や果物を、積極的に取り入れましょう。

脱水が疑われる場合は、水分だけでなく電解質を補給する必要があるので、経口補水液を摂取してください。スポーツドリンクでもいいですが、経口補水液に比べて電解質が少なく、糖質も多いので要注意です。

【有酸素運動】

汗腺の機能は年齢とともに低下しやすくなるため、発汗機能を高めるために、有酸素運動を取り入れることをお勧めします。高い気温によって汗をかくのではなく、適度な運動で“自ら汗をかく”ことが大切なので、自然な発汗を促してくれる有酸素運動が適しているといえます。さらに、運動による疲労は、睡眠にもよい効果をもたらしてくれることが期待できます。

お勧めの有酸素運動は、ジョギングやウオーキング、ヨガ、水泳、サイクリングなどです。休憩を含め、1回につき合計20〜30分程度の運動時間を目安にするとよいでしょう。軽く汗ばむ程度が理想的です。熱中症対策に、水分補給や電解質補給も早めに行ってください。

【質のよい睡眠】

睡眠不足も体調不良の一因です。寝苦しい日でも快適な睡眠を取るための対策として、夏でも入浴時は湯船につかりましょう。湯船につかることで血行が改善されるとともに、副交感神経が優位になるため、心身がリラックスして眠りやすい状態になるためです。また、睡眠の質を維持するためにも、エアコンで室温管理し、眠りやすい環境を整えることも大切です。

(オトナンサー編集部)

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藤井崇博(ふじい・たかひろ)

医師、医療法人社団三橋医院理事長

2012年に東邦大学医学部医学科卒業後、東邦大学医療センター大森病院(東京都大田区)で約10年にわたり臨床、研究、教育に従事。病気の原因の排除や病気のリスクの低減を図る「一次予防」を広めるために、2020年に医療法人社団正恵会 ディオクリニックを開設。2021年に東邦大学大学院医学研究科博士課程修了。同年、医療法人社団正恵会理事長就任。2023年、医療法人社団三橋医院理事長就任。

専門領域は循環器内科。保有資格は医学博士(循環器内科学)、循環器内科専門医、内科認定医。日本循環器内科学会、日本内科学会所属。医療法人社団正恵会 ディオクリニック(https://dioclinic.jp/)。「藤井先生@ダイエット豆知識チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCwhtmWTYHIjO4mZklz4foyw)。

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