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「通常学級」「特別支援学級」「特別支援学校」…発達障害のわが子、進級先はどう選ぶ? 自閉症児を育てた専門家の“経験”

「支援級」と「支援学校」はこう違う

授業風景(立石美津子さん提供)
授業風景(立石美津子さん提供)

 では、支援級と支援学校はどう違うのでしょうか。「トイレ」の観点から見てみましょう。

 支援学校では、排せつの自立ができそうな子に対しては、時間を計り、ぼうこうが満杯になる直前にトイレへ誘って排尿させる、いわゆる定型発達児が3歳くらいになるまでに行う「トイレトレーニング」をしていました。

 一方、息子がいた支援級には、排せつの自立ができていない子がいました。支援級では小学校6年間の間、おむつ替えを介護人がしていました。ある程度おむつがぬれたら替えるだけで、支援学校のように本人の前回の排尿時刻を記録に取り、タイミングを見計らってトイレを促すトレーニングはしていませんでした。

 どうして、このようにしているのか。これはあくまでも私が感じたことですが、支援級には情緒的な問題行動がある子もたくさんいた他、「時計を読む」「文字の読み書きをする」「簡単な計算をする」といった習得可能な学力を目的としているところもありました。

 加配の先生は、1人の子のためにいるわけではなく、クラス内にいる脱走してしまう子や他害をする子を含めて複数を見ている状態だったので、排せつ訓練が必要な子に付きっきりになることが難しい状況だったのでしょう。

 知的遅れがない発達障害児の固定学級として、「情緒障害児学級」がある場合は、そこに通わせることも選択の一つです。自治体によってない場合もあるので、その際は通常学級に籍を置きながら、「通級指導教室」を利用する方法もあります。

 海外では、特別支援教育を受ける子どもを「特別に支援される権利があるわが子」と捉える人も多くいると聞いたことがあります。私は、特別支援学級や特別支援学校で学ぶ息子を見ながら、「特別支援教育は、子どもに合わせた環境で学ぶ機会を得られる、スペシャルスクールだ」と感じていました。

 一方で、「通常学級に行った方が、定型発達児から多くの刺激を受けて伸びるかもしれない」という考え方も、「支援級に行き、きめ細かな対応をしてもらう方が伸びるかもしれない」という考え方もあります。正解はありません。

 親の気持ちだけではなく、お子さんにとって一番いい教育環境はどこなのかを考えて、進級先を決めるとよいと思います。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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