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「不妊治療」のいま 検査から治療、かかる費用まで

治療その1「タイミング療法」

 原因がはっきりしなかったり、特に原因となる病気がなかったりしたら、治療スタートです。まずは、妊娠しやすいタイミングにセックスを行う「タイミング療法」から始めます。

 女性が超音波検査を受け、医師が卵胞の成長を確認し、排卵日を特定する方法です。指定された日にセックスをし、次の月経開始予定日以降に病院で妊娠判定をします。

 タイミング療法の場合、状況によっては以下の療法を追加することがあります。

排卵誘発(卵胞期~排卵期)

 排卵誘発剤を使って排卵の確率を高めるものです。排卵誘発剤には飲むタイプ(経口薬)と注射があります。この療法は排卵を促すだけでなく、よい卵子を作る効果もあります。

 排卵誘発剤を使用しないタイミング療法は保険の適用外となるため、医療機関で受ける場合、比較的マイルドな作用の排卵誘発剤から強い作用の排卵誘発剤まで、原則として、それぞれの体質に合わせた薬剤を何らかの形で使用します。

LHサージ誘起(排卵期)

 LHサージは、一言で「排卵が起きる前兆」です。卵胞の発育によってエストロゲンが十分に分泌されることで、性腺刺激ホルモンの分泌を担う脳下垂体が排卵するようにと、黄体化ホルモン(LH)を大量に放出することをLHサージと呼びます。このLHサージを確実に起こすために注射や点鼻薬を使用する療法です。使用後36~40時間後に排卵が起こると考えられています。

黄体ホルモン補充療法(排卵後)

 妊娠には、排卵後の黄体機能を維持させることが重要です。セックス後に黄体を維持したり、黄体ホルモンそのものを補充したりします。黄体ホルモンを補充することで、生理の周期を整えることも期待できます。

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内田玄祥(うちだ・げんしょう)

医療法人幸のめばえ、静岡レディースクリニック、三島レディースクリニック理事長

国立病院東京災害医療センター・国立病院東京医療センターにて産婦人科等に勤務の後、旧厚生省入省。医政局、健康局、社会・援護局等で病院経営管理、救急医療政策、障害保健福祉、医療安全等の政策立案を担当した後、山梨県健康増進課長として地域の感染症対策、がん・生活習慣病対策や母子保健政策・不妊症対策の充実にも従事する。夫婦で不妊症治療を経験したことから、官僚としてではなく医師として現場で不妊医療に寄与していくことが重要と考え、厚生労働省近畿厚生局医事課長の後、国立循環器病センター等を経て現職。

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