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止まらないと不安…「しゃっくり」の原因、出やすい人は? 受診必要なことも?

誰もが一度は経験したことがあると思われる「しゃっくり」は、なぜ起きるのでしょうか。また、長引いたら、治療は必要なのでしょうか。

しゃっくりはなぜ起きる?
しゃっくりはなぜ起きる?

 誰もが一度は経験したことがあると思われる「しゃっくり」。多くはしばらくすると自然に止まりますが、中には頻発したり、長時間続いたりするケースもあるようです。しゃっくりについて、ネット上では「原因が知りたい」「そもそも、何のために起こるの?」「なかなか止まらないときは病気かと不安になる」「驚かせると治るってよく聞くけど、本当?」など、さまざまな疑問の声があります。

 身近な生理現象である「しゃっくり」の不思議について、内科医の市原由美江さんに聞きました。

病気が隠れているかも?

Q.そもそも、しゃっくりとは何でしょうか。

市原さん「しゃっくりの正式名称は『吃逆(きつぎゃく)』といいます。何らかの原因で横隔膜がけいれんすることで、しゃっくりが起こります。けいれんによって横隔膜が収縮すると声帯が急に閉じるため、空気の流入が阻止されて、『ヒック』という特徴的な音を出します。なお、何のために起こる現象なのかはよく分かっていません」

Q.しゃっくりは多くの場合、時間がたつと止まりますが、これはなぜでしょうか。

市原さん「あらゆる原因でしゃっくりは起こりますが、食べ過ぎや飲み過ぎなどの一時的な原因で起こっている場合が多いので、時間がたつと自然に止まるのです」

Q.しゃっくりが出やすい人はいるのでしょうか。

市原さん「早食いの人や大食いの人、アルコールの過剰摂取、炭酸飲料の摂取、喫煙者、ストレスや寝不足がある人、生活習慣が乱れている人は、しゃっくりが出やすいことが知られています」

Q.中には、しゃっくりが止まらずに長く続くケースもあるようですが、この場合、考えられる原因は何でしょうか。

市原さん「長期間続く場合は病気が隠れている可能性があります。逆流性食道炎や胃潰瘍などの消化器系の病気、脳腫瘍や脳動脈瘤(りゅう)、てんかんなどの脳の病気、肺がんや肺炎、気管支ぜんそくなどの呼吸器の病気があります。また、薬の副作用でしゃっくりが起こることもあります。しゃっくりが2日以上続く、または日常会話や食事など、生活に支障が出るくらいの頻度で起こるようなら、病院を受診した方がよいでしょう」

Q.しゃっくりで病院を受診した際、どのような検査を行うのですか。

市原さん「原因となる病気の有無を調べるため、患者さんの症状や問診などから検査の種類が変わりますが、主に血液検査、頭部CT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像装置)検査、肺やおなかのCT、胃カメラなどが挙げられます」

Q.しゃっくりを止める際、内服薬を使うこともあるのでしょうか。

市原さん「しゃっくりの場合、『クロルププロマジン』という薬があり、この薬は健康保険が適用されます。他の薬や漢方薬にも有効とされているものがありますが、そもそも、多くのしゃっくりは一時的なもので自然に改善します。持続する場合は他の病気が隠れていることがあるので、薬を飲んで様子を見るよりは、原因を見つけるために検査をしていくことになるでしょう」

Q.民間療法としてよく知られている止め方「しゃっくりが出ている人を驚かせる」方法は有効なのでしょうか。

市原さん「しゃっくりを止める民間療法はたくさんあります。『驚かせる』方法は、呼吸が瞬間的に止まることで横隔膜の動きを止めようとするものなので、ある程度の効果は期待できると思います。他にも『息を少しの間止める』『冷たい水を飲む』『舌を引っ張る』などがありますが、あくまでも民間療法であり、どれも医学的に推奨できるものではないので、しゃっくりが長引いて困ったら、内科の医療機関を受診して相談しましょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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