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虫歯や歯周病への影響は? 喫煙と「お口のトラブル」の関係、歯科医師に聞く

歯科医師は禁煙を勧める?

Q.患者さんが喫煙者で、何らかのお口のトラブルを抱えている場合、歯科医師から禁煙を勧めることはあるのでしょうか。

宮本さん「あります。歯周病はメタボリック症候群(メタボ)の初期疾患であり、厚生労働省はメタボによって、内臓肥満や糖尿病、動脈硬化に進行しないように歯科医院でも食生活指導をするよう周知しています。こうした方針から、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士などから禁煙を勧めるのはよくあることです。

ただし、歯科医院での禁煙指導には限界があり、実際には禁煙外来への受診を促すところまでが現状です。禁煙する気のない人はなかなか行動してくれないのですが、追い詰めると患者さんが歯科への通院を中断し、歯周病治療すらできなくなるなど、逆効果になることもあります。

そのため、私は『喫煙をやめるまでは、私ができる限りのことをします。しかし、歯周病の進行を止めることはできません』『禁煙が歯周病治療の鍵となりますから、たばこをやめられるといいですね』と、医療者ができること・できないことや、患者さんのリスクをしっかりとお伝えしています」

(オトナンサー編集部)

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宮本日出(みやもと・ひずる)

歯科医師、歯学博士

1965年、金沢市生まれ。愛知学院大学歯学部を卒業後、石川県立中央病院、豪アデレード大学、明海大学を経て、2007年、埼玉県志木市で幸町歯科口腔外科医院を開業し、現在に至る。2015年から、埼玉医科大学麻酔科非常勤講師。2017年、立教大学大学院でMBA取得。金沢大学医学部で感染制御学を研究したこともあり、「えっ!? まだ始めていないんですか? お口からの感染予防」(ギャラクシーブックス)など多数の臨床関連著書のほか、「サンタはなぜ配達料をとらないのか?」(VOICE)など仕事論の著作も執筆。

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