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そうだったのか! 武田信玄や真田幸村が兵装に「赤」を採用した理由

権力や富を誇示するための陣羽織

 甲胄のほかにも、戦場を赤く彩った装いがあります。戦場での防寒着として鎧の上から着用されていた「陣羽織(じんばおり)」です。

 戦国武将は、南蛮人によって日本に渡ったとされる羅紗(らしゃ)や天鵞絨(びろうど)などの染織物を陣羽織に仕立てて着用していました。この陣羽織に使われていた中で最も貴重な色が「猩猩緋(しょうじょうひ)」と呼ばれる日本の伝統色です。

「猩猩緋は、黄みのある鮮やかな赤色のこと。スペインやポルトガルとの南蛮貿易によって日本にもたらされた室町時代後期以降に流行しました。色名は、中国古典に登場する猿に似た霊獣『猩々』の赤い血が材料だと信じられていたことに由来しますが、実際の染料はコチニールカイガラムシやケルメスといった虫を原料に抽出され、非常に珍重されたようです」

 猩猩緋の羅紗や天鵞絨は極めて希少価値が高く、信長や秀吉などの有名な武将がこぞって陣羽織に仕立て、権力や富を誇示していたとされています。豪華絢爛な意匠に加え、強く鮮やかな原色と異色の組み合わせがふんだんに使用されていた戦国時代の陣羽織からは、平安時代の貴族とは異なる色彩感覚が垣間見えるそうです。

(オトナンサー編集部)

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花岡ふみよ(はなおか・ふみよ)

カラー&イメージコンサルタント、株式会社ラピス代表取締役、ラピスアカデミー校長

人と企業をブランディングするカラー&イメージコンサルタント歴25年。似合う色や第一印象術のイメージコンサルティング実績は1万3000人。企業の色彩戦略コンサルティングやセミナー講演、研修、執筆実績も多数。株式会社ラピス(http://www.lapis234.co.jp/)、ラピスアカデミー(http://www.lapis234.com/)、サロン・ド・ラピス(http://www.lapis234.jp/)。

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