紙ナプキンが一般的では? ラーメン店が「ティッシュペーパー」を置くワケ
飲食店は、テーブルに手や口元を拭くための「紙ナプキン」を置いていることが一般的ですが、ラーメン店では「ティッシュペーパー」の箱を置いていることが多いようです。なぜでしょうか。

多くの飲食店は、テーブルの上に使い捨ての「紙ナプキン」を用意していますが、ラーメン店は、紙ナプキンの代わりに「ティッシュペーパー」の箱を置いていることが多いようです。なぜ、ラーメン店は、ティッシュペーパーなのでしょうか。飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。
「第1次ラーメンブーム」がきっかけ
Q.飲食店のテーブルの紙ナプキンは、どのような目的で置かれているのでしょうか。
成田さん「一般的な小さなサイズの紙ナプキンは、基本的に食事中や食後に手や口元を拭く際に使うものです。一方、高級料理店の大きなサイズの紙ナプキンは、料理のソースなどで服が汚れないように前掛けにしたり、膝に掛けたりして使うものです。テーブルマナーでの布ナプキンの使い方とほぼ同様の使い方でよいでしょう」
Q.多くのラーメン店は、テーブルの上にティッシュペーパーの箱を置いています。なぜ、ラーメン店では、紙ナプキンではなくティッシュペーパーなのでしょうか。
成田さん「ラーメンは、スープに油を使っていたり、ラーメンそのものが熱かったりするので、客が口元や鼻を拭く機会がどうしても多くなります。そのようなとき、紙質が柔らかいティッシュペーパーの方が使いやすく、客受けもよいからです。
また、店側にとっても、紙ナプキンの場合は小まめに補充しなければなりません。箱のティッシュペーパーを置けば、オペレーション上の作業が減ることや、紙ナプキンと同程度のコストであることなどの理由から、ティッシュペーパーの箱を置く方が合理的、かつ効果的だからです」
Q.ラーメン店でティッシュペーパーが使われ始めたのは、いつごろ、どのようなことがきっかけですか。
成田さん「1980〜90年代の第1次ラーメンブームがきっかけです。そのとき、背脂が多く入った『こってり系ラーメン』が登場し始めたり、首都圏を中心にとんこつラーメンがはやったりして、油が付いた手や口元をしっかりと拭く必要性が高まりました。
また、ラーメンブームにより、それまでは少なかった女性客が増加したことで、手や口元をしっかりと拭くとき、肌触りがソフトなティッシュペーパーの方が女性客には喜ばれるのではないかという配慮から、徐々にティッシュペーパーを置くラーメン店が増えました」
Q.使用済みのティッシュペーパーを丼の中に入れて、退店する客を見かけることがあります。こうした捨て方をされると、ラーメン店側は困るそうですが本当ですか。
成田さん「本当です。使用済みのティッシュペーパーを丼の中に入れると、ティッシュペーパーが残ったスープを吸ってしまい、店側がごみを仕分ける際の手間が増えてしまいます。使用済みのティッシュペーパーは、店内にゴミ箱があればゴミ箱へ、もしなければ、汚れた部分が見えないように丸めて丼の脇に置くとよいでしょう。
また、熱いラーメンを食べると、鼻をかみたくなることがあります。大きな音を立てて鼻をかみ、使用済みのティッシュペーパーを丼の中に入れる人もいますが、他の多くの客がその行為を見て不快に思うので論外です。不快な思いをさせないよう、トイレに行って、鼻をかんで捨ててくるなど、飲食店の最低限の食事マナーは心掛けましょう」
(オトナンサー編集部)
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