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「離婚」で悩んでいませんか? よくある質問に弁護士がアンサー

9.よくあるモラハラの疑問

Q.モラハラってそもそも何ですか?

A.芸能人の離婚騒動などもあり、昨今メディアによく登場する「モラルハラスメント(モラハラ)」ですが、その定義は必ずしも明確ではありません。モラルには「道徳」の意味もあるため、モラハラを「人間として問題のある行為=配偶者に対する心ない言動」と捉え、これを理由に離婚できないかという相談者が増えているようです。

 そもそも、モラルハラスメントはフランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌによって提唱された概念で、言葉や態度によって行われる精神的な暴力のことを指すようです。

 イルゴイエンヌは、精神的な暴力も肉体的な暴力と同程度か、場合によってはそれ以上に人を傷つける犯罪であると述べています。このように、単なる「心ない言動」を超えて精神的な暴力・虐待と言えるものが「モラハラ」と定義されてきたようです。

Q.モラハラは離婚原因になりますか?

A.配偶者に対する精神的な暴力や虐待、いわゆるモラハラが、「婚姻関係を継続し難い重大な事由」として離婚原因となり、相手方の拒否にかかわらず、離婚が認められるケースも皆無ではありません。しかし、精神的な暴力や虐待だけで離婚原因と認められる場合はまれで、その他の離婚原因(肉体的暴力、不貞、別居)と組み合わせて離婚が認められることが多いようです。

 仮に、配偶者に対する精神的暴力・虐待と言える言動があったとしても、それだけでは離婚原因にはならず、また、配偶者に対する慰謝料請求も十分には認められないのが現状です。

Q.夫(妻)のモラハラが原因で離婚した場合、親権や養育費はどうなりますか?

A.仮に、モラハラが離婚原因の1つと認められた場合でも、親権や養育費とは基本的には無関係です。

 親権や養育費は、子どもの健全な成長や、親が子どもを経済的に独立した成人に育て上げる「扶養義務」などの観点から、子どものために定められるものであり、夫婦間の事情であるモラハラとは無関係と考えられるためです。

 ただし、精神的な暴力・虐待であるモラハラが子どもにも及んでおり、子どもの健全な成長に悪影響を与えている場合には、父母のどちらに親権を認めるかの判断材料になることはあり得ます。

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高井信也(たかい・のぶや)

高井・村山法律事務所弁護士

交通事故や労働問題(残業代、不当解雇、労災)、不動産、離婚・相続、企業の相談などを幅広く取り扱う。特に交通事故と労働事件は、合わせて年間30件以上を扱うなど力を入れている。高井・村山法律事務所(http://law-tm.jp/)。

村山圭一郎(むらやま・けいいちろう)

高井・村山法律事務所弁護士

行政事件や不動産事件(建築関係紛争)、離婚、相続などを幅広く取り扱い、「みんなの弁護士207人 首都圏版」(有限会社南々社)にも掲載。困っている人、悩んでいる人の心に寄り添うことを心掛ける。高井・村山法律事務所(http://law-tm.jp/)。

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