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婚活アプリで年収900万円エリートと出会った32歳女性の悲劇(上)

息子を全否定されたことで、実家へ…

 結局、彼は「自分の子として育てる」と言っておきながら、息子さんに愛情をかける素振りも見せませんでした。致命的だったのは、彼が気に入っている、1LDKの現在の物件にケチをつけたこと。彼は自分の部屋のベッドを使っていたのですが、仁美さんと息子さんには部屋がなく、毎晩、リビングに布団を敷き、毎朝、布団を上げるありさま。

 そこで、仁美さんが何気なく「子ども部屋が欲しいな」と口走ったところ、彼は烈火のごとく怒り出したのです。「お前とは結婚できない! 産むのは勝手だけれど、一緒には育てられない。あいつ(息子さん)がいるとイライラして憂鬱(ゆううつ)になる。養育費を払ってでも別れた方がましだ!!」と。

 けんかの原因はささいな行き違いですが、仁美さんは、彼が息子さんを全否定したことを許せず、クリスマスイブの寒空の中、息子さんを連れ、また実家へ帰るしかなかったのです。仁美さんは彼が迎えに来ることを期待していたのですが、クリスマス当日になっても音沙汰はなく…しびれを切らして彼へ電話をすると、彼は「ごめん、実は…ずっと、おろしてほしかったんだ。大丈夫、術後に後遺症が出ても絶対に支えるから」と言い出し、2人の関係は完全に決裂してしまったのです。

「50万でおろしてくれ。産むなら知らない。DNA鑑定をして裁判をしないと認知もできないし、養育費も取れないんだぞ?!」

 彼はそう言うと、署名済みの中絶同意書を送りつけてきたのですが、仁美さんが彼の反対を押し切って出産に踏み切るのは、経済的、体力的、そして精神的に無理でした。ただでさえ両親におんぶに抱っこの状態。仁美さんだけでなく、息子さんにかかる費用の大半は実家に頼っているのに、彼との子の費用を上乗せするのは気が引けます。

 仁美さんは既にパートを辞めており、また妊娠や出産を経験すると、次にいつ働きに出ることができるか分かりません。何より、彼に裏切られたせいで仁美さんは心のバランスを崩しており、息子さんの幼稚園の送迎もままらないありさまで、孫の子育てを母親に頼り切っている中、彼との子まで母親に押し付けるわけにはいきませんでした。

※「下」に続く

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

行政書士(露木行政書士事務所代表)

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/bar_association/whole_country.html

法テラス
https://www.houterasu.or.jp/

コメント

5件のコメント

  1. 悲劇っていうか全部自分が悪い気がするんですが…
    そもそも複数人と付き合っていたから誰の子か分からないって言う時点でおかしいし、口癖が「周りは仕事が出来ない馬鹿ばかり」の38歳とかまともな大人じゃないことくらい、32にもなって分からないんですかね
    交際相手に連れ子を虐待されるというニュースを最近よく聞きますが、その裏側を見たように思えます
    その被害者面辞めないと一生そんな感じだと思いますよ
    そんな母親に育てられる子供が可哀想です
    これまでの人生を振り返って、何が悪かったのか、そして子供にどうしてあげたいのか、そのためには自分が何をすべきなのかを自分の頭で考えて、今後の行動に反映してください。
    幸いまだ30代前半なので、未経験でも正社員で雇ってくれる会社はあると思います。
    誰かが自分と子供を助けてくれるのを期待するのではなく、自分が子供を守っていくんだと思って生きて欲しいです。

  2. バカな女の典型だな。

    複数の男と交際して誰の子か、わからん子を産む時点で愚か者だろう!

    そんなバカな女と、まともに結婚する男なんか、いないよ。

    貞操観念の無い女は軽く見られる、まして子持ちなどと結婚するなんて男は、まともでは無いね。

    産んだ時点で独りで子育てして生き抜くべきだね。

    それが、できなきゃ産むべきではないし、交際なんてもん、するな!

  3. 考え方が甘すぎ!

    そもそも誰の子か、わからない子を産む時点で、そんな淫乱な女など普通の男は相手にしないよ。

    がんばって独りで子育てをした方が良い。

    それとも仏門に入って尼に成りなさい! あほ

  4. 身の程知らずですね。軽はずみもいいとこです。少しずつ堅実になって。

  5. 結婚すれば彼の財布を握れる、育児を任せて「遊びに行ける、世間体が悪いシンママから抜け出せる…そう思えば、彼がどんなにわがままを言おうと、彼女はただただ「イエス」と答えるしかありません。」

    そりゃー、そんな下心で婚活するほうがタチが悪い。男性側を非難すると見せかけて、シングルマザーのイメージダウンしたいんじゃないかと思う。
    このライターさんは、運悪く非常識なシングルマザーの担当になってしまってストレスだったから、世間体を保ちつつ愚痴りたいんじゃないかな。