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いじめになるケースも…「ママ友」同士のトラブルはなぜ起こる? 良好な関係築くには?

「客観性」と「中立性」を保つ

 子どもと母親、双方にとって良好な「ママ友との関係」には、「客観性」と「中立性」が不可欠です。

 例えば、「うちの子がお宅の○○君に殴られた」との連絡が入ったとき、事実関係を確認しないまま、その場ですぐに謝るのはNGです。まずは「息子に確認します」と伝え、実際に子どもと話してください。同様に学校にも確認し、状況を正しく理解・把握してから行動に移しましょう。決して感情的にならず、客観的な立場を忘れないことが重要です。

 そして、子どもの人間関係に親が立ち入らないことです。「あの子とは仲良くしたらだめ」と言ってはいけません。親の都合で子どもの人間関係を壊してはいけないのです。

 現代は、何かを、誰かを「攻撃したい」という思いがまん延しています。誰もがスマホやSNS、メッセージアプリを使う現代において、文字で感情的に表現をする「静かに激しい人」が増えているのではないでしょうか。ママ友間でトラブルが発生しても、そのときの感情一つで子どもを巻き込むことは許されません。スマホやメッセージアプリ全盛期の現代だからこそ、親には、適切なタイミングでブレーキをかけることができる冷静さが求められていると思うのです。

(文/構成・オトナンサー編集部)

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上條理恵(かみじょう・りえ)

少年問題アナリスト

少年問題アナリスト、元上席少年補導専門員、東京経営短期大学特任准教授。小学校、中学校、高校講師を経て、1993年より、千葉県警察に婦人補導員として、青少年の非行問題(薬物問題・スマホ問題・女子の性非行)・学校との関係機関の連携・児童虐待・子育て問題に携わる。学会活動として、非行臨床学会の会員としての活動も行う。小中学生、高校生、大学生、保護者、教員に向けた講演活動は1600回以上に及ぶ。

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